初めての路地に足を踏み入れるのは、ちょっぴり心配だ。


 行き止まりだったり、思わぬ方向に曲がっていたり、時にはよその家に庭に出ることもある。


 それでも、うまくいけば近道ができ、その町ならではの生活のにおいがある路地は、魅力がある。


 引き返したり、心配したりしながら、やがて思い通りに路地を歩き回れるようになる頃には、塀の上の猫とも顔なじみだ。


  路地から

  路地へ

  自由自在

  この町の

  人になる