生まれながら視力が悪かった

親がそのことに気づいたのは小学校に入学するときの視力検査

亡き母が父に「この子は鳥を馬って言ってた」と伝えていたことを今でも鮮明に覚えている

小学低学年からメガネをかけたんだが、メガネをかけてもせいぜいで0.1がやっと

レンズの度をアップしても眩暈と頭痛だけで視力は伸びなかった

結局、生まれてから四畳半の世界で生きてた感じ

それでもスポーツは好きで野球をやっていたんだが、視力が弱いとピッチャーしかできなくて

小学4年生の時に打球が目に当たり左眼失明

それからは遠近感がなくてスポーツは陸上くらいしかできなかった

 

学校では一番前の席でも黒板の字が見えなかったから、家に帰って8時間独学を繰り返した

幼いながらも社会生活なんかできるんだろうかって不安はいつも付きまとっていた

 

立って砂利を見たことがないし

夜空を見上げて星も見えなかった

天の川なんて今まで一度も見たことがない

 

学校生活で授業についていけなかったことも辛かったけど

校長や担任の「健康な心は健康な体から生まれる」という言葉を聞くたびに心がえぐられる思いだった

教師はもっと物事を深く考えないといけない

少なくても、ほとんど盲目状態ながらも学校に通っていた私は教師の言葉を苛めと考えた

 

その後、社会人になってからホヤやニコンの眼鏡用レンズが大きく改良・進歩

昔のレンズは度を強くすると頭痛

今のレンズは厚さだけでなくて見えなかったものをしっかり見える状態までカバー

考えられないほどレンズは進歩した

車の免許を取得できるなんて子供のころのことを考えたら信じられない

生きることを投げ出さなくてよかったと思う

 

実は今夜、タバコを吸うためにベランダに出て夜空を眺めたら

空一面に星がいっぱい

 

生まれて初めてなんだよな

空一面の星を見たのは

まだ一度も天の川を見たことがないんだが、今年の七夕は楽しみだ

 

仕事もそうだったんだけど、諦めないって大事だと思う

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今まで星とか砂利を確認できなかった

もちろん七夕なんか関係のない世界で生きてきた