S30Zと出会って20年目。 | S30Zリビルターのブログ

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皆さん今晩は!

 

大忙しだった年末からあっという間の1月下旬。息子の小学校卒業も近くなってきました。

久しぶりにS30Zの記事を書きます。

今年は節目の年になります。その節目は2つあります。

 

まず一つ目は息子が中学生になる年。2つ目は私のS30Zは、購入から20年目を迎えます。

購入は平成12年の1月。まだ車を直すことの大変さを知らない若い25歳でした。

 

知り合いの車屋さんから購入した北米輸出型240Zを購入したことから始まります。

この240Z、改造が施されていましたが、前のオーナーさんが改造費用が払えなくなり、裁判所のほうで抹消された車でした。

こんな理由から、最初に出会った左ハンドルのS30Zは復活できないかわいそうな車でした。

 

「せめて、この車についている部品、有効に使いたいよなぁ・・・。そのほうが、このZも無駄にはならないしなぁ・・・。」

自宅に持ってきた北米240Zを見ていつもそんな思いがありました。

そこからS30Zの生活が始まったのです。

 

 

修理後のS30Zはノーマルグリル。これが一番好きなスタイルです。

2000年の1月から数か月間だけ公道を走りましたが、車体の一部に錆が出ており、そこから亀裂がありましたので、急いで一時抹消手続きをし、車の修理に必要な部品集めを始めました。

 

普段は車庫に眠っていますが、時々外に出てはエンジンを動かしています。

 

 

それ以外にも、整備要領書・パーツカタログ探しも大変!なかなか見つからなかったのでした・・・。

古い車の部品検索は大変です。何かと細々とした部品が多く、製造廃止品も多いのです・・・。年式によっても適合品の場合や不適合品もあったり。適合・不適合は大抵車所有のオーナー自身がパーツカタログ等で調べています。

だからこそ、手持ちの車のパーツカタログは必須アイテムといえます。

 

標準仕様の外観です。

タイヤハウス外周4か所には、かつてオーバーフェンダーがついていました。(240ZG仕様の物・社外製FRPオーバーフェンダー)

車を使っているうちに、オーバーフェンダーと車体の隙間に微細な砂が入り、車体の塗装が削れて錆が出るのを嫌って、元の状態に仕上げています。

見た目がすっきりです!

 

 

しばらくエンジンをかけないでいると、エンジン始動がよろしくないです。

機械ものは動かさないとだめですね。

 

写真はエンジンオイルクーラーです。オイルクーラーコアに合わせた専用コアカバー付きの状態。

外気温が低い時にはこのようなカバーを使って、必要以上にエンジンオイル温度が低くなりすぎないようにしています。

簡単な装備ですが、これは効果があります。

 

オークションで偶然見つけたエンジン部品。銀色の部品がそうです。

エンジン特性が面白いといわれている型番・E31を見つけたのです。輸出型240Z初期モデルのエンジンに使われ、北米の240Zに載せられていました。(販売当初の約2000台の240Zに使われていたそうです。)

部品の名前は‘シリンダーヘッド’。精密部品です。

もともと愛好家が使われていたこともあり、必要な加工は施されていましたが、使うには修繕が必要というオチがありました!

破損していた現状に私は愕然としましたが、知恵を絞って奇跡的に復活!2012年から使用しています。

 

このシリンダーヘッドの製造年は車体よりも古いです。シリンダーヘッド製造年は1970年/昭和45年製造。(ちなみに私のZの車体製造年は1972年/昭和47年。)

 

 

昨日も動かしましたが、前回から時間が経過していましたので、エンジン始動がやや困難でした。

翌日の今日はセル一発でエンジンが目覚めました!

 

水温・油温が安定し、1100回転でアイドリングしています。油圧は常に気を付けています。左のメーターが油圧計ですが、これが異様に油圧低下になったら即エンジン停止です。

(エンジンが焼き付き、別の同型エンジンに換装しなければなりません。修理費がえらいことに!!)

 

このころの車は、まだまだ発展途上なので、機械好きな方ご自身で部品を加工したりする楽しみがたくさんありました。

実際、私もエンジン部品の一部には、オリジナルの部品を組み込んでいます。

 

事情で最初に出会った北米240Zは路上に再び現れる事は出来なくても、そのZに付いていた部品をふんだんに活用し2009年5月に中古新規登録が出来ました。

 

理想は特殊なレースエンジンに使用されていたシリンダーヘッドを使用してみたかったけれど、販売数が少なく、補修部品がほとんどありませんし、購入できても費用が高すぎで手に入りません。

 

 

 

詳しいことは割愛しますが、性能が大幅によくなる部品です。この部品を探している方、今もなお多いです。

再販やリプロ品が販売されれば嬉しいのですが・・・。

このエンジンユニットの名前は、‘LY280’と言われています。

ライバルのマシンの性能に手を焼いた日産レーシング開発部門が生み出したレース専用エンジンです。

 

 

私にはこのような特殊ユニットが手に入りませんでしたので、現存数が少ない初期純正を使い、理想にがぎりなく近いエンジンを製作しました。

今の現状が私にとって限界点。これで十分楽しいのですからもうこれ以上望むものはありません。

もともと私のS30Z、調子のよいエンジンではありませんでした。分解して中を見たら、エンジン内部は汚れたオイルで真っ黒でべたべたしていました。ろくにエンジンオイルを交換していたのではなかったのでしょう。もったいないことです・・・。

 

サービスマニュアルや日産スポーツコーナーの解説書、日産レース部門レイニックの技術を参考にエンジンを組み立て、とても調子のよいエンジンに変わりました。

生産ラインでは手間がかけられない加工工程を盛り込んで。

恐る恐るエンジンキーを捻り、始動し、再び息を吹き返したエンジン。

整備士でよかったと思った瞬間でした。

日常使える車として路上復活し、通勤でも使用しました。(ただ、お世辞にも燃費は良くないので、運用には制限付きでした!)

 

 

 

欲を言えばキリがありませんので、私は写真の状態で締めくくりました。思い出になった日産L型6気筒エンジン!那須への長距離試験走行もトラブル無し。頑丈なエンジンです!

気合と根性で製作した唯一無二のS30Z。同時に走る実験車でもありました。

元S30Zの開発テストドライバーだった恩師とも年賀状交換をしていて、

「Zの調子はどう?」と来ていました。

 

今年も恩師に、

「Zは今でも私にとって誇りです!」

そう一言添えて送っています。

 

沖縄の恩師にも、昨年の家族沖縄旅行の際、S30Zの写真を持って行ってお話をして、

「おおーっ!懐かしいなぁー。Lか!」

お昼ご飯の時に私のS30Zの話をして楽しみました。

 

このZと出会った時からもう20年!今も現役。動態状態でガレージにいます。