「いのちをつなぐ未来館」職員の菊池のどかさん。
菊池さんは釜石東中3年だったときに津波から逃げた経験を、同館で語り継いでいます。
岩手県釜石市鵜住居町









釜石市出身。
釜石高校を卒業後、岩手県立大学総合政策学部に入学。まちづくりや被災者の心のケアなどを学び、今春、同大学を卒業し、釜石市鵜住居(うのすまい)町に開館した防災学習施設「いのちをつなぐ未来館」(3月23日開館)の常駐職員として、自らの経験をもとに、震災の事実と教訓を伝えている。

【あの日の真実を教訓に】
 菊池さんが釜石東中学校3年生の時、東日本大震災津波が発生。菊池さんをはじめ、東中学校の生徒は、即座に自主的な避難を開始し、さらに隣接する鵜住居小学校の生徒たちなどの手をとり、高台まで避難行動を続けました。

 「中学校では入学した時から防災教育が行われていましたし、実際に避難場所までの道を走る訓練も行っていた経験から、迷わず避難することができました」と当時を振り返ります。

 その経験を多くの人に伝えたいと“いのちをつなぐ未来館”でガイド兼語り部として活動する菊池さんは、

「東日本大震災津波に関する館内の展示物を見ていただきたいのはもちろんですが、この場所には真実があります。あの日この場所で何があったか、その真実から、今後起こり得る災害に向けて、“生きてほしい”という思いを伝えたい」

と話しています。





いのちをつなぐ未来館



被災した母校の跡地には、その後「釜石鵜住居復興スタジアム」が建設され、今年、ラグビーワールドカップの会場にもなりました。

試合開催日前後には、多くの外国人も「いのちをつなぐ未来館」を訪れました。

のどかさんは

「未来館に世界中から多くの人たちが集まってくれて、とてもうれしかったです。館内の展示を、まるで自分のことのように涙を流しながら見てくれている方が多く、私自身も救われる思いでした」

と。



未来の人達が自分たちの町が楽しいと感じること。


とりもなおさず

今を楽しいと感じること。



3月11日。

祈りを込めまして