少しずつ

書いていこう


ざわつく1


「ハンドメイド」


わたしにとって

ハンドメイドで雑貨を

つくることは特別だ。


趣味


と周りには言っているが、


イベントなどに頻繁に出て、

ネット販売や

雑貨屋さんにも委託させてもらって、


ゆくゆくは

ハンドメイドを仕事のように

していきたかった。


挫折した。


20代前半、

頑張って作って、

イベントに出て、

イベントで知り合った人のツテで

お店に置いてもらって。


でも、

一緒にイベントに出ていた

友人に

作品をパクられて

その子の方が売れて


しんどくて、


同時期に


精神病を患って


もうイベントには出られない。

売るための雑貨は

作れない


そう思い込んだ。


パクった友人は

ハンドメイドを続けて、


イベントに出れば売れた。

個展も開いた。


悔しかった。


目指していた姿が

そこにあったから、

うらやましかった。


その子のSNSは見ないように

していたけど、


彼女の新しいアカウントを

見つけてしまい、


見入った。


彼女の作品を見たら、


作りたくなった。


この載っている作品より

私の方が

素敵なものを作れるはず。


と、

同じ材料を買ってきて、

似たような作品を作ろうとして、


難しくて完成できなかった。


もう認めてるじゃん、私。


あの時、

私の作品を素敵だと思って

パクった彼女は、


オリジナルの作品を作るようになり、

私も真似したくなるほど

素敵なものを作るようになったんだと。


認めていた。


認めたくなかった。


なぜか、

彼女に負けたくない気持ちが

わいてくる。


ハンドメイドは

趣味じゃない。


私の中では。


商売でもない、

仕事でもない、


自己表現だった。


夢だった。


憧れで、


青春だった。


早く気づけ。


もう過ぎ去ったんだよ。


夢見る頃は。


もちろん、

今からでも 


ハンドメイドで 

イベントに出たり、

ネット販売をすることもできる。


しかし今の自分は、


あの頃の労力はない。

細かな作業をする気力もない。

夜中までひたすら作業していられる

無限の時間もない。

何かを作っていても

時間がくれば仕事へ行き、

子育てをし、

家事をこなす。


気がつけば寝る寸前だ。


それでも

疲れた体にムチ打って、

眠い目をこすって

ハンドメイドに向かう。


その情熱は

今の私にはもうない。


ハンドメイドは好きだ。


でも仕事に出来るほどの

情熱や労力はもうないんだよ。


それなのに

気持ちはまだ

趣味以上でいたいと思っている。


心と体と現実が

バラバラで、


ついていかない。

おさまらない。


どうしたらいい。


ざわつきが近頃

おさまらない。


とりあえず、

彼女のSNSから

離れよう。