パリ市内に観光に出る前にまず頭を洗いたかったので、朝からシャワーを浴びる事にしました。
日本を出発する前から数えて40時間以上頭を洗っていないので、やはりオシャレ~なパリの街に出る前に少しは身ぎれいにしておきたかったわけです。
しかし、前々回のブログのような理由でドライヤーが使えず前の日の晩に頭が洗えなかったので、アダプターか延長コードは無いかと近所のスーパーに買い物に出かけました。
幸いホテルの何軒か隣に全国チェーンのスーパー「Monoprix(モノプリ)」があったので、そこの電気製品コーナーを探すと、延長コードが3.5ユーロ(約550円)で売ってました。延長コードを買ってホテルに戻って、前回のブログの写真のように接続して、動くことは動いたんですが…なぜか温風が出ないのです。どういった理由なのかは分からないのですが、一応冷風は出るのでそれで何とか洗った髪を乾かして、その日の昼にパリの街に出る事ができました。
…さてホテルに帰ってシャワーを浴びる前に、せっかくスーパーに来たんだし、ここいらでフランス・パリにおける「日本食事情」を調査してみる事にしましょう。
さすがにフランスは世界有数の農業大国( 世界でも数少ない「食料自給」できる国のひとつだそうです )であり、多くの移民を抱える「多民族国家」であるだけ、様々な食品が手に入ります。インドのパン「ナン」や北アフリカの粒状パスタ「クスクス」などは普通に販売しているだけでなく、様々なメーカーの様々な種類のものが好みに応じて購入できます。どんな国からどんな食習慣を持った人たちがやって来ても、元の国にいた時と同じ食生活が営めるといった印象です。
それでは日本食はどうでしょう。冷蔵の食品棚を見ていると「寿司」の文字が目に飛び込んできました。

日本のコンビニで売ってるようなパック入りの寿司が売られていました。「6 NIGIRI 6 MAKI」とあるので、にぎり6貫+巻き6貫の計12貫入りなのですが、何と価格が7.3ユーロ(約1,170円)!。日本のコンビニで売ってるものの軽く倍はするでしょうか。パックを手に取って見てみると、なんだか日本ではあまりお見かけした事の無いヘンな色合いの、たぶんフランス人が考えたオリジナルの寿司が並んでいるようでした…話のネタに買ってみても良かったんですが、実のところ私は生魚が大の苦手で…その生魚がご飯に乗っかってる「寿司」も当然苦手な訳で…買っても食べられないので買うのは止めました。
他にもパック入りの刺身が売ってたり、お米も細長いインディカ種( いわゆる「タイ米」 )が主流のヨーロッパにあって日本風の丸っこいジャポニカ種が売ってたり、また調味料売り場に行けば醤油もちゃんと売ってたりして、ヨーロッパに居ながらにして日本風の「スシ・ライフ」が楽しめるようです。

さて「スシ」とくれば同じく日本の国民食「ラーメン」なのですが、スーパーの中を探してみて「アジア食品」コーナーみたいなところに来た時、ありました!ラーメンが!…しかし何だかどこか変なのです。

パッケージには「日式ラーメン」とあります。この辺からして日本語が変です。おかしいなと思ってパッケージをひっくり返して製造者を見てみると、どうやら香港の「超力(チューイー)」という会社が販売している商品のようです。

この辺でもうすでにかなり怪しいのですが、裏面の作り方説明のところを読んでみるとますます怪しい商品だなという印象を受けました。フランス語と英語の説明と併せて日本語の説明も載っているのですが、これが全く日本語になってないのです。

画像が少々不鮮明なので見にくいかと思いますが、「ラーメン」というものを全く知らない人がこの日本文の説明を読んでラーメンを作るのは少々難しいかな、と思えるような日本語です。日本でこのメーカーの商品を見た事が無い事実から、明らかに日本での販売を意識してしていない事が汲み取れます。また画像の上部を見てみると、香港のメーカーなのに「Made in Korea / 韓国製造」とあります。このボーダーレス感が「無国籍都市」パリっぽいといえばパリっぽいのですが。

この日本文説明をフランス語や英語の説明文と読み比べてみると、私が想像するにどうやらこのアヤしい日本文は、フランス語で作成した説明文をインターネットの翻訳サイトで自動翻訳した文章をそのまま掲載しているのではないかと推測されるのです。たぶんフランス語の原文から英語に自動翻訳して、さらにその英語に翻訳した文章を日本語に自動翻訳したものなのでしょう。
日本文のところに「ラーメンの具」を意味しているらしい「チップス」という単語が出てきていますが、英文のところを見てみると同じ箇所で「サービスに対して感謝の気持ちを表すために支払う金銭」という意味の「Tips」という単語が出てきます。しかし私の所持している英和辞典をひもといてみても「Tips」という単語に「具」という意味はないのです。多分フランス語の部分で「具」を意味するらしい「Astuce」という単語を含む文を自動翻訳にかけたら、英語にそれに相当する単語がなかったので苦し紛れに訳文に「Tips」という単語が表示されて、さらにその「トンデモ英文」を日本語に自動翻訳してみたら「サービスに対して感謝の気持ちを表すために支払う金銭」の事を日本語でもカタカナで「チップ」というので、そのまま複数形の「s」まで訳して「チップス」となってしまったのでしょう。
しかし、日本語というのはふだんから日本語を使って生活している我々日本人ですら完璧に使いこなすのが難しい言語(「世界で最も難しい言語」であるとも言われています)であるので、それを普段広東語を使用している香港の人たちが果敢にも翻訳に挑戦してヨーロッパの市場に問うてみようとのだから、そのチャレンジャー精神は評価に値するのではないかと逆に思うのです( 結果としてトンデモ日本語になっちゃいましたが…)。
たぶん「本場日本でも販売している本場の味のラーメン」という事を演出したいという企業戦略から掲載したのであろうトンデモ説明文でしたが、日本人である私をここまで楽しませて、しかもなおかつブログのネタも提供していただいたという点に感謝して、自分へのお土産としてこのラーメンを買ってしまいました☆
2食入りで2.99ユーロ(約480円)と比較的安かったというのもあるんですが…。
で、日本に帰ってきて早速このラーメンを作って食べてみたのですが…何だか麺が柔らかくて歯ごたえが無いし、箸でつまむとブツっと切れるのでスプーンで掬って食べなきゃなりません。スープも色が赤っぽくて味が薄く、原材料を見てみると一応醤油を使っているのですが、薄味の唐辛子スープのような味がして日本のラーメンのようなコクのある味が全然しないのです。強いて言うなら日本のスーパーで時々売っている辛口の「韓国ラーメン」の薄味版みたいな味がしてあんまりおいしくなかったです。まあブログのネタ代と思えば安い買い物だったかもしれませんが。
…フランス篇が始まってはや1ヶ月。ここまであまりにツッコミ所が多くていまだにパリ市内にまともに出れません。次回の更新の時こそは花のパリ市内観光に出た時のエピソードに入りたいと思います☆