「オーラル・フレイル」で社会的孤立のリスク | 118歳も夢じゃない!抗加齢専門歯科医が教えるアンチエイジングの秘密

118歳も夢じゃない!抗加齢専門歯科医が教えるアンチエイジングの秘密

健康な人生を満喫している人は歯科と上手に付き合っています。歯科医師として日本初のアメリカ抗加齢医学会認定医が、歯科とアンチエイジングの意外な関係について語ります。

 皆様こんにちは。

栄養を科学する抗加齢歯科医、森永宏喜です。

 

 9月6日に発売となります拙著

「すべての病気は口の中から ~歯が痛くなる前に絶対読む本~」

によりご興味を持って頂くために、同書の重要なトピックを順次ご紹介していくことにしました。

第4弾はオーラル・フレイルで社会から孤立することのリスク】です。 

 書籍の詳細は「書籍ご紹介サイト」でご覧になれます。

 

 【オーラル・フレイルで社会から孤立することのリスク】
 
 「オーラル・フレイル」という言葉を聞いたことがある人は、まだ多くないかもしれません。
これは、歯や口の中の機能が弱くなることをいいます。
 
 自分の歯を失ったり、歯周病が悪化したりしてしっかり噛むことができなくなると、オーラル・フレイルが進み、栄養が十分に摂れなくなると同時に、全身の運動機能も衰えてきます。
そして、足腰も弱くなり、だんだんと活動が制限されてきます。
 
 活動的でなくなると、ますます体は弱ってきます。そして、外に出るのが大変になると、どうしても家に閉じこもりがちになり、社会から孤立することになります。
 
 また、うまく噛めないということで、友人たちと食事をする機会を敬遠してしまうこともあるでしょう。すると、ますます社会から遠ざかってしまいます。
 

 
 入れ歯安定剤などのCMで、家族や友人たちと一緒に食事を楽しむシーンをよく目にしますよね。
 入れ歯安定剤を使うことの是非はともかく、噛めるうれしさ、人と食事をともにできる「幸せ」の表現は、その裏返しの“一緒に楽しく過ごせない、孤独になる恐怖”という潜在意識をついたもの。マーケティングとしては、非常に秀逸といえますね。
 口の機能が衰えて、社会から孤立することは、認知機能の低下サルコペニア(加齢性筋肉減弱症)のリスクが高まることになるのです。
 
 ここで、高齢者の社会性と認知症の関係を調べた調査を ご紹介しておきましょう。
 
 この調査では 75 歳以上の健康な高齢者1203名を、社会的なネットワークが十分なグルー プとそうでないグループに分けて比較しています。社会的なネットワークが十分なグループというのは、
 
①結婚して誰かと同居している
②子どもと満足する接触を週1回以上持っている  
③親族や友人と満足する接触を週1回以上持っている
 
という3つの条件を満たしている人たちです。
 
 この対象者たちを3年間にわたって追跡調査した結果、社会的ネットワークが十分なグループは、1000人あたりの認知症の発症率は 19 人、ネットワークが乏しいグループでは、その 約8倍の156・9人という数字が出ています。
 
 認知症のリスクを防ぐためには、社会性を持ち続けることが大切なことがわかります。
 
 たとえば旅行を例にとってみましょう。国内外の多様な文化に触れるとき、その「食」を避けて通るわけにはいきません。アクティブに旅行を楽しんでいる人も多いことと思いますが、食べる楽しみのない旅行は、普通は考えられないのではないでしょうか。
 食を満喫することは、噛むことと同時に、豊かな文化に触れる人間らしい情動を享受することでもあるのです。
 
 この情動こそ、脳の活性化に欠かせないことなのかもしれません。
 

◆目次
序章 口の中の恐ろしい「もの言わぬ病」
第1章 全ての病気は歯から始まり、腸に至る!
第2章 認知症の原因も口の中にあった
第3章 食べていると確実に死に近づく食べもの
第4章 自分でできる歯と口のケア
第5章 いい歯科医とダメな歯科医
 
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