皆様こんにちは。
栄養を科学する抗加齢歯科医、森永宏喜です。
アメリカ心臓病学会(AHA)から数日前、最新の勧告が出されました。発行する学術誌「Circulation」は循環器分野で高い格式を誇るトップ学会です。
18歳以下の若者のadded sugers(砂糖や異性化糖などの添加物としての糖)の1日当たりの摂取量をティースプーン6杯(約25グラム)以下に抑えること、さらに2歳以下の子どもの場合は一切摂取しないことを推奨しています。
「私たちがこのことを推奨する目的は、2歳から18歳までの子どもたちのために、保護者や指導者にとって対策を単純にしておくことにあります」
と語る代表執筆者の Miriam Vos博士。
「大部分の子供たちにとって、これは健全な、そして達成可能な目標です」
糖分の多い食物を多く摂取することは小児の肥満と高血圧、そして青年期の心臓疾患のリスク増加と関連付けられるといいます。
「糖分の多い食物を食べる子どもたちは、果物や野菜、全粒粉、心臓にとって良い脂肪分の少ない乳製品のような健康的な食物の摂取が不足する傾向があります」
現在、健康上の問題を引き起こしている子どもたちは糖分の摂取が増えるほどインスリン抵抗性が増大し、それは2型糖尿病の前段階を意味するといいます。
そして2歳以下の子どもたちは、これらの糖類を一切摂るべきでないと勧告では述べられています。
「エネルギー消費が比較的少ないこの年代では、必要な栄養素を満たすためには糖類でカロリーを摂る余裕がありません。そして食の嗜好は幼少期に形作られます。低年齢の子どもの糖類摂取を抑えることは、生涯にわたる健康的な食の嗜好を形成するのに役立つでしょう。この勧告は、先ごろ発表されたWHOの勧告とも基本的に一致するものです」
予防を始めるのに、早すぎるということはないということでしょう。生活習慣病の代表格である心疾患のトップジャーナルが、少年期はもちろんのこと、2歳以下の乳児の糖類摂取制限にまで踏み込んだ意義は小さくないと考えます。
9月6日発売 森永宏喜 著
「すべての病気は口の中から ~歯が痛くなる前に絶対読む本~」
拙著でも精製糖質、とくに異性化糖(HFCS)の害については詳しく書いています。いずれご紹介する予定です。
詳細は「書籍ご紹介サイト」でご覧になれます。