糖尿病・メタボと歯周病の密接な関係 | 118歳も夢じゃない!抗加齢専門歯科医が教えるアンチエイジングの秘密

118歳も夢じゃない!抗加齢専門歯科医が教えるアンチエイジングの秘密

健康な人生を満喫している人は歯科と上手に付き合っています。歯科医師として日本初のアメリカ抗加齢医学会認定医が、歯科とアンチエイジングの意外な関係について語ります。

皆様こんにちは。

栄養を科学する抗加齢歯科医、森永宏喜です。

 

 9月6日に発売となります拙著

「すべての病気は口の中から ~歯が痛くなる前に絶対読む本~」

によりご興味を持って頂くために、同書の重要なトピックを順次ご紹介していくことにしました。

第二弾は「糖尿病とメタボ・歯周病」についてです。

 

書籍の詳細は「書籍ご紹介サイト」でご覧になれます。

 

【糖尿病・メタボと歯周病の密接な関係】
 
 わが国の糖尿病患者の数は、予備軍も含めて約2000万人にも上るといわれています。最近では、糖尿病と歯周病の密接な関係が、一般にもよく知られるようになってきました。改めてまとめてみましょう。
 
 アメリカ・コロンビア大学の研究では、4本以上歯を失くしていて、歯周ポケットの 26 %以上が中等度の5ミリ以上ある人のうち、73 %が糖尿病にかかっていたというデータが あります。さらに血糖値を知るための目安として一番普及しているHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)値を測定して5・7%以上あれば、確率は 92 %まで上昇するとのこと。
 
 つまり、歯周病のデータを見ればかなり高い確率で糖尿病の危険性を察知できることになるのです。
 
 糖尿病患者は、メタボリックシンドロームを発症しているケースが多くあります。
 内臓脂肪型肥満の割合が高いのはもちろん、血糖値が常に高いため血管の内面にはいつも炎症が存在し、体をサビさせる(老化させる)活性酸素が発生しています。その結果、血液中のコレステロール(細胞膜を生成するのに必要な要素で、生きていくうえで欠かせない物質の一つ)の酸化が進行し、動脈硬化や血栓の原因になります。
 

 
 そのメタボリックシンドロームの傾向がある人は、ない人よりも歯周病のリスクが高いこと、歯周病の原因細菌の血清抗体の数値も高い、つまり血液中に多くの歯周病菌が入り込んで免疫反応が起きていることがわかっています。さらには、メタボリックシンドロームの人は、そうでない人よりも歯垢の量が多かったり、歯が少なかったりというデータもあります。
 
 逆に、口の中の状態が悪くなると、メタボリックシンドロームのリスクが高まってくるということも、証明されています。
 メタボリックシンドロームの中心的な役割を果たしている肥満は、糖尿病や動脈硬化性疾患などを引き起こす最大の要因になっています。特に、内臓脂肪型肥満は、歯周炎と強く関連しているという報告もあります。
 少し専門的な話になりますが、脂肪組織からは、TNF -α(ヒト腫瘍壊死因子)、レプチン(食欲を抑制し、エネルギー消費を増加させるホルモン)、アディポネクチン(脂肪の燃焼や糖の取り込みを促進するホルモン)などさまざまな生理活性物質が分泌されていますが、これらは肥満などによって産生異常を起こし、血糖値を下げるホルモンであるインスリンの働きを阻害したり(インスリン抵抗性の増加)、動脈硬化を引き起こしたりします。 
 
 たとえば、肥満により血中のTNF -αが増えると、歯周病が悪化します。そして、歯周組織の炎症でTNF ─ αが増えるとインスリンの働きが阻害され、血糖値の調節作用が悪くなります。また、血清中のレプチン濃度は痩せた人より肥満の人のほうが高く、歯周病患者のレプチンが高いこともわかっています。
 
 歯周病患者が治療を行うことで、この血清レプチンや、それと関連する炎症のマーカーであるCRP(C反応性タンパク)などが減少することからも、メタボリックシンドロームと歯周病の関係は明らかといえるでしょう。
 
まさに万病のモトともいえる歯周病。歯を失ってから、健康を害してから泣かないためにも、ケアはしっかりと早めにしましょう。
 

◆目次
序章 口の中の恐ろしい「もの言わぬ病」
第1章 全ての病気は歯から始まり、腸に至る!
第2章 認知症の原因も口の中にあった
第3章 食べていると確実に死に近づく食べもの
第4章 自分でできる歯と口のケア
第5章 いい歯科医とダメな歯科医
 
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