稲盛会長はあらゆる機会を捉えて、私たち社員に語り掛けてくださいましたが、会長はそのことを各責任者にも求めました。
責任者というのは壊れたレコードのように、同じことを何度も繰り返して下の者に伝えなければいけないと言うのです。
「何度俺に同じことを言わせるんだ」
という声はどこの会社からでも聞こえてきそうですが、そんなことを言っているようでは人の上に立つ人間としては失格で、むしろまた同じことを言っているなと思われるくらい言い続けなければならない。
そうすれば言われた本人は、いずれそのことを言われまいと避けて行動することで賢くなっていく
というのが会長の考え方でした。
from 「すべての現象は自分の心の反映でしかない」森田直行(KCCSマネジメントコンサルティング会長) ※『致知』2014年11月号