フランクリン13徳
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私が作った徳目の表は最初は12項目しかなかった。
ところが、クエーカー教徒の友人が親切に言ってくれたのだが、私は一般に高慢だと思われていて、その高慢なところが談話の際にたびたび出てくる。その実例をいくつも挙げたので、私もなるほどと思った。そこで私は他の悪徳や愚行と同時に、できることならこれを治したいと考え、謙譲 の徳を表に加え、その語に広い意味を持たせたのである。
私はこの徳を真に自分のものにしたと誇るわけにはいかないが、少なくともうわべだけは相当成功したと思う。間違いだと思われることを他人が主張したときでも、これに応えるに、まず最初に、時と場合によっては君も意見も正しいだろうが、現在の場合はどうも違うようだ、自分にはそう思えるが、などと述べるのであった。
かような態度は生まれながらの性質ではなく、初めは多少無理をして装ったものであるが、しまいには自然になり完全な習慣となったから、この50年間、私の口から独断的な言葉が出るのを聞いたものはおそらく一人もあるまい。
実際我々が持って生まれた感情の中でも、自負心ほど抑えがたいものはあるまい。どんなに包み隠そうが、それと戦おうが、依然として生き続けていて、ときどき頭をもたげ、姿を現すのである。なぜかといえば、私は完全にこれに打ち勝ったと思うことができるとしても、おそらく自分の謙譲を自負することがあるだろうから。

「Franklin Autobiography 1818」by Benjamin Franklin