本日の名言

非常な水泳の名人から、いかにすれば水泳が上 達するかという講義をきくとする。かりに 三年間、休まず怠らず講義を受る。 それでめでたく卒業の許しを得たとする 。だがそれだけで実際に直ちに 泳ぎができるだろうか。講義をきくだ けでは泳げないのである。
やはり実際に身体を水につけねばならない 。そして涙のこぼれるような不覚の水も飲まなけれがならない。ときには、死ぬほど の思いもしなければならないであろう。
そうしてこそ水に浮けるし、泳ぎも身につく。体験の尊さはここにあるわけである。
単に教えをき くだけで何事もなしうるような錯覚をつつしみたい。

by松下幸之助 道をひらく