平成28年12月28日 40時45分
暮れの忘年会から私が家に帰宅した時間である。
会社の御用納めを終えそのまま忘年会へ突入。
一次会、二次会、三次会… 楽しい宴がつづくが、
時刻は24時を過ぎ、25時を過ぎ、終電も過ぎる絶望的な時間帯を迎えた…
…だが誰ともなく魅惑的な呪文を唱える。
「朝まで飲もうや!」
Yeahhhhhhhhh!♪
毎年恒例のフィーバータイムへ突入だ。
四次会、五次会…
26時、27時…
何軒かの店を渡り歩き、
とうとう私は酔いと睡魔にヤられ、バーカウンターで寝てしまった。
「もう店じまいだよ」と起こされ、時計を見ると30時。始発の時間も疾うに過ぎている。
だが、また誰かがメガンテ、パルプンテな呪文を唱えた。
「もう一軒行こう!」
Yeahhhhhhhhh!
寝た私は元気である。ホイミ。
あ、イカン。家内に連絡しなくては…
LINE(まだ飲んでます)
街には店の営業を終えたマスターや従業員が集まってくる。まだ夜は終わらない。
32時、33時…
いつの間にか会社の仲間は居なくなっていた。
また今年も暮れの別れの挨拶ができなかったな…
よいお年を。
………
そしてとうとうこの日2度目の正午を迎え36時もすぎた。
この街は本当に眠らないんだな…新宿、ゴールデン街と歌舞伎町 恐るべし。
もういいわ。もういいだろ。頑張った俺。
ほぼほぼこの日初めて会い、一緒に街で飲んでいた人々に別れを告げる。
また会うことはあるのだろうか…
ルイーダの酒場
一期一会。よいお年を。
そのままJR新宿駅へ向かい下りの中央線に乗った。
自宅最寄りの中央線の駅は○○寺駅だ。
車内は空いており、端のシートへ座った。
シートが温かい。これは気持ち良い…寝てしまう…
いかん、念のためスマホのアラームセットしておこう。
マナーモードだから音は鳴らないが、バイブレーションで気付くだろう…
○○寺駅到着時刻の数分前にアラームをセットしスーツの胸ポケットへ入れた。
これで安心だ。
嗚呼、温かい…気持ちよい…
ラリホ~
………
…ふと気が付くと、そこは『高尾駅』だった。
バシルーラ
数秒呆気にとられたあと自分の置かれた身を把握する。
寝過ごした……やってしまった…
あわてて上り列車に乗り換える。
いかん、家内に連絡しておこう。
LINE (いま高尾)
再びアラームを○○寺駅到着時刻にセットしようとスマホを見ると、
画面には「あなたさっきアラームで起きませんでしたよ」的な内容が表示されている…
そうか…それはすみませんでしたね…
○○寺駅到着時間にアラームを再セットし、今度はバイブレーションをしっかり感じるようスマホを手に握りしめた。
これで安心だ。
嗚呼、シートが温かい。気持ち良き良き…
ラリホーマ
………
ハタと気がつき顔を上げる。
乗った電車はどこかの駅で停車しているようだ。
目を凝らしホームの案内板を視てみた。
『東京』
……………は?東京?
わけわからん。トウキョウ?
……だが………訳がわかった。
東京駅だ。中央線上りの終点、下りの起点。また寝過ごした…やっちまった。
再び下りの中央線に乗る。
アラームをセットしようと、またスマホ画面を見る「起こしたけど起きなかったね」と言っている… 悪かったよ…
家内に連絡しなくては…
LINE (いま東京)
妻も含めた知人達とのLINEグループトークが私のこの行動にざわついているようだ…
そしてまた座席シートの温かさに気持ちよくなり寝てしまった… ラリホ~
………
次に気が付くと…
私の手の中でスマホが震えていた。
車窓を見ると… ○○寺駅のひとつ前の駅だ。
やった!
そして○○寺駅で下車。
ルーラ
斯くして、40時45分。無事に帰宅する。
毎年、私のこの行動に慣れた家族たちは、慈悲に満ちた顔で迎えてくれた。…ように感じた。
さぁ布団で寝るぞ…
長い長い12月28日のお話でした。