テレビデビュー
「純潔・ある少女の告白」で日活期待の新人として主役デビューした沖さんだが、当時映画は斜陽で、日活は青春ものからやくざ路線へと転向をはかっている時だった。
デビュー時に実年齢が16歳だった沖さんは家出少年であることを隠すため18歳と偽っていたが、やくざ映画ではチンピラの役しか与えられず、活動の場をテレビに求めていくしかなかった。
「犬と麻ちゃん」 1969年5月13日~9月30日放送 全20回(NET)
出演:和泉雅子 中山千夏 千秋実 八千草薫 新井春美 他
沖さんの役名:野村誠(主人公の奉公先のお坊ちゃん)
~中略~
「さぼてんとマシュマロ」1971年10月2日~1972年3月25日放送 全26回(日本テレビ)
出演:吉沢京子 片岡五郎 仲雅美 加藤治子 三谷昇 高橋昌也 山東昭子 他
沖さんの役名:伊藤仁
日本テレビの火曜日の女シリーズ「クラスメート」でようやく人気が出始めた沖さんに日活が再び目をつけて、映画「八月の濡れた砂」の主役に抜擢した。だが、撮影初日の砂浜のシーンでバイクで転倒、右肩を骨折して役を降板することになってしまった。
一枚の写真がある。
ベッドにいる彼は横になったまま左手をあげて、カメラに向かって手を振っている。1971年7月15日、「八月の濡れた砂」の撮影中に、波打ち際を走っていたオートバイから落ち、右鎖骨骨折で入院。映画は代役が決定。この映画がのちに名作として今も語られていることを思うと残念な話であり、石川セリが歌う主題歌を聴いては沖さんは
涙していたという。
しかし、「さぼてんとマシュマロ」の出演は既に彼に決定していた。「このチャンスを逃したら、私にはもう後がない、と」(ご本人談)思った沖さんは、腕をギブスで固定したまま撮影に臨む決意をした。
「さぼてんとマシュマロ」のオープニング映像と最初の何回かでは、沖さんの右腕が肘を張ったまま固まったように動いていない。右利きなのに、左手でボールを投げている。一時は降板という話もあったが、医師も「固定して動かないようにすれば大丈夫」と許可し、原作者の武田京子さんが
「彼は伊藤仁のイメージにピッタリ。彼しか考えられない」
と言ったこともあって、沖雅也でスタートした。ラッキーだった。
これは沖雅也のアイドルとしての出世作となる。共演は吉沢京子さん。
弟役には実年齢は年上の仲雅美(現 雅貴)さんが出て、名前や髪型が似ているせいか随分と間違われていた。そういえば沖正夫さんという人もちょっとだけ出ていて、この方は森川正太さんと改名された。
昭和46年の日テレ作品で、土曜日の夜7時半から30分。
「セブンティーン」連載のマンガが原作だし、時間帯が家族向けだったので軽いラブコメディーではあったが、沖さんはここで俄然光り始めた。甘いマスクと182cmという長身、「優しいお兄さん」というイメージの伊藤仁のキャラクターとあいまって、沖雅也の名も一躍全国区へと走り出したのだ。
「さぼてん」は沖さん扮する伊藤仁のこと。自分が愛するものは皆死んでしまう、触ると刺のあるさぼてんのようなものだと言う。
会社を経営する父親の跡を継がずに、雑誌社のカメラマンをしている。夜間高校に通いながら同じ雑誌社に勤める伊藤真理子(吉沢京
子)とは喧嘩をしながらも、いつしか愛が芽生えて行く。
真理子は仁の「さぼてん」に勝つ「マシュマロ」なのだと言い、事実、何度も事故に遭いそうになりながらも、それを回避する。
兄のような恋人のような友達のような、カッコよくて優しくて面白くて、実はお坊ちゃま・・・とアイドルの条件を備えた役柄。
「さぼてんとマシュマロ」でティーンの心を掴んだ沖雅也は、アイドル雑誌に必ず顔を出すアイドルとなった。プロフィールは勿論のこと、グラビア、ポスター、対談と、当時の資料は多いが、当時のアイドルは品行方正ではならなかったので、沖さんに限らず、現実にはありそうもないキャラクターがあたかも本人であるかのように紹介されている。
「さぼてんとマシュマロ」の後、沖さんは「だから大好き!」で南の島の王子様、「1・2・3と4・5・ロク!」で小学校の教師(沖さんは当時20歳。これはいかんだろう)、「未婚・結婚・未再婚」で年上妻にお尻にひかれている大学生、そして「キイハンター」で探偵役と4本のレギュラーを持ったが、どれもコメディータッチだったことは注目に値する。
後にスコッチ刑事や市松を演じてから、彼のキャラクターは「冷徹」「孤独」のイメージが優先されることなるのだが、ティーンのアイドル沖雅也は「明るいお兄さん」だったのだ。
~以下略~
本当にどんなポーズでも様になってカッコいい沖さんのことをこれからも永久に、みなさん応援して行きましょう![]()
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参考文献URL→http://www.geocities.jp/forevermasaya/idol.html