■BOOK「法廷絵師は見た!」大橋 伸一
大橋伸一さんという方は、TBS専属の法廷絵師。
2005年に逝去されている。
その方が残した、仕事しながら垣間見た法廷の様子、
被告の様子を絵と共に載せた本。
全部で41つの事件を回顧する。
私も一度だけ、裁判傍聴したことがあるが、
それまでは、殺人事件の犯人というのは「TV上の人間」だった。
だが、実際に目にしてみると、いつ自分がその立場になるかわからない、
非常に自分に近い存在だということに気づく。
「「人間の本質は悪」という思いがますます募った。
人間が良い生き物だったら、2歳の女の子なんか殺せないんだよ。戦争は出来ないんだよ」
という、性悪説に傾いている著者の言葉が、非常に説得力がある。
よく、精神鑑定が話題になる人物に対しては、家庭環境がよくなかったとか、
悲惨な経済状況がゆえの犯行だとか、そういう生活環境に起因するとまとめられることはあるが、
それは、もはや机上の空論である。
貧しくても、片親でも、人に尊敬されながら生きている人はいる。
だが、その事実が、私のような凡人と殺人犯を近づける。
といいつつも、私があの場に立たずにこれまで生きてこれたのも、
「環境」のおかげと言わざるをえない。
親がいて、友人がいて、それが「社会」と私のつながりだった。
さて、インターネットの普及が進む中、頑張ってその繋がりを構築していかないと
その社会と人との繋がりが出来ないまま大人になることが容易になる。
例) 就職活動において、学生と企業のミスマッチが増加しているという。ネット依存の好例。
自分はこれからどのようなコミュニティに存在すべきなのかということと、
生きるために必要な見識も多いのでそれを知るべきであるということ。
そんなことをちょっと思った。