■BOOK「」KAGEROU」齊藤智裕 作
さて、昨日本屋に行ったときに、ついつい買ってしまいました。
水島ヒロの作家としての処女作であり、第5回ポプラ社小説大賞受賞作、
「KAGEROU」。
本の帯には「著者・斎藤智裕が、人生を賭してまで伝えたかったメッセージとは何か?」
とあるが、まさに興味はその点に尽きる。
それで、早速読んでみたのだが、
これは「すらっ」と読めてしまいます。
読むのが遅い私も2時間程度で読んでしまったと思います。
しかも、思ったよりも著者のメッセージがストレートに出ている作品なので、
文学に芸術性を求めている方にとっては、物足りない作品だと思いますが
それでも俳優としてあそこまで極めた若者が、これを生み出したということを鑑みれば
決して悪い評価はしにくい。
そして、マスコミの前で「命」の大切さを世に広めたいという著者の目指す道について
「なるほどね」と思わせる作品である。
ストーリーがよい。
ありそうでなかった観点を持って描かれている。
「魂」と「肉体」を分割して捉えているのは、普段
自分の肉体を貸して他人の人生を歩んできた俳優ならではの視点だったのかもしれない。
そして、最終的には、人間が知らない次元の世界へと物語は旅立っていく。。。
個人的には、中学生くらいの子におすすめしたい内容である。
とはいうものの、これは「第5回ポプラ社小説大賞」を受賞し、
この小説を生み出した作者にはご褒美に2000万円渡されるという、大した立場にいるものだ。
そのことを踏まえると、作品講評にもあるのだが、表現のディテールの不足は否めない。
また、講評によると、「最終候補作7作品中、挑もうとしているテーマがもっとも大きく、
それをエンターテインメント作品として仕上げているところが評価された。」
とあるのだが、正直、それって本の良しあしを決める理由になるのかなあ?という感じはします。
テーマは大きくても小さくてもいいでしょ!!
それに、エンターテイメント作品として仕上げる技術は、私の感覚でいえば
深刻な風合いを醸し出すよりも簡単だと思うのですが、物書きの方々は違うのでしょうか。
■MOVIE「カンダハール」
90分以内におさまる、ショート・ドキュメンタリー映画。
アフガニスタンは「国際社会に見捨てられた国」と言われるが
その内戦の様子を写したものである。
主人公の女性は、カナダに亡命して何年にもなる。
その女性が、地元に残った妹から「次の日食までに命を断とうと思う」という手紙を受け取ったため
妹に希望を与えるために、妹を訪ねる旅をする、という話である。
アフガニスタンは、女性は顔すら見せることを許されない。
「ブルカ」という、頭からかぶる洋服をまとう。顔の部分だけいくつか穴が開いている。
主人公は、しばらく顔を隠していなかったため、顔を覆わずに男に話しかけたら
「ちゃんと被れ」と叱られる場面が非常に印象的である。
男は宗教上の理由で被るものだ、という主張であり、それはこじつけではないのだが
それでも、ブルカのために男性社会を抜け出すことが出来ないのは想像できる。
もうひとつ、印象的なのは、空から義足が降ってくる場面。
それを、自分の足を失った人たちが追いかける。
なんとも恐ろしい風景である。
残念ながら、こうした映画をみないと、実態を知ることは難しい。
特に私みたいにおバカな人は映像をみないと想像もできないのです。
決して無視できない現実がそこにはありました。
2000年に撮影したということなので、今は当時とは違う問題も生まれていることでしょうが
アフガニスタンの人々を「世界で守る」必要性を感じた映画。