■BOOK「減速して生きる ダウンシフターズ」/高坂 勝 著
ダウンシフターズという言葉がある。
年収が600万円→350万円まで減りつつも、
必要以上のものは買わない、欲張らない生き方をして
毎月家計簿は黒字。
かつ米も小豆も自給自足。だからくいっぱぐれもなし。
サラリーマンから、そんなダウンシフターズとしての生き方へと
転換した著者の「ダウンシフターズへのすすめ」とも言える本。
今でこそ実家の田舎暮らしをしているものの、東京に数年住んでいた私には
著者の文章の言いたいことが、湯水のように理解できた。
彼は、決して難しいことはしていない。
新聞をそこそこ目を通していて、
自分のしたいことをゴールに、けれども近道を欲張らずに進んでいた結果
多くのものを自分の糧として得ていて、
そして今、幸せに生きている。
文章の節々でわかるように、著者は、サラリーマンでいたら
それはそれできっと成功をおさめたに違いない。
私が言うのもおこがましいが、非常に社会人としてよくできた方だと思うからだ。
そんな著者の考えには、本当に難しくない論理が成り立っていて、
今の世の中の「高学歴を目指す。大学を出たら会社に就職する」ことが
もはや成り立たないことがよくわかる。
世界金融ショックの後、日本式の「高付加価値・高価格」商品は見直された。
そして、日本企業の行く末を再考する時代となった。
それはすなわち、「企業への就職」の意味自体が大きく変わったということである。
日本の企業の永続性は幻であるということを認識したのである。
それならば、これから「仕事」を決める若者の意識を従来のものと
変えなければ、若者は時代に合わず不幸になってしまう。
しかし、それは今は出来ていない。
著者は、そういう問題提起を現代人に問いかけてくれる人物の一人である。
こういう人物と、私たちはもっと交流をもっていかなくてはいけないのだと思う。