「風評対策タスクフォース」の開催について

 

 政府で月内に開催が予定されている「ALPS処理水処分に関する実行会議」での主要検討項目の一つである風評対策に関連して政府「風評対策タスクフォース」が8/20に開催されました。私の提言が反映されました。

 

https://www.reconstruction.go.jp/topics/main-cat1/sub-cat1-4/20210819155827.html

 

 今回、決定された内容を一部抜粋してお伝えします。

 

1.風評を生じさせないための取り組み

 

何よりも安全対策を徹底。取組状況について、IAEA等「外部の目」を入れたモニタリング等により透明性を確保。国内外に信頼性の高い情報を発信。

→・処理水による魚の飼育など分かりやすい情報発信。

 ・IAEA等国際機関による安全性の確認や情報発信等への協力。

・製品の流通経路で適正な取引が行われるような加工・流通・小売の各段階への説明と取引実態の把握を実施(行政のヒアリング)。

・若い世代への出前授業や放射線副読本等の教育現場における取組の実施。

・IAEA等国際機関による安全性の確認や情報発信等への協力。

・海外の報道機関や科学者・有識者、インフルエンサー等に対しての情報提供を実施。

・農林水産物・食品に対する輸入規制の緩和・撤廃に向けて、相手国政府への丁寧な説明の実施。

 

2.悪評に打ち勝ち、安心して事業を継続・拡大できる仕組みづくり

 

 生産・加工・流通・消費の各段階において、重層的に安全性を証明・発信。風評に打ち勝つ強い事業者体力の構築に向けて取り組む。

→・「がんばる漁業復興支援事業」の拡充

 ・被災地における観光誘客促進・交流人口拡大支援。

 ・処理水の海洋放出に伴う国産水産物の需要減少等の事態に機動的に対応するため、新たな緊急避難的措置として、冷凍可能な水産物の一時的買取り・保管・冷凍できない水産物の販路拡大等に向け、基金等の制度を構築。

 ・トリチウムの分離技術の実用化について、政府が最新の技術動向をアンテナ高く把握。さらに、企業からの提案については、実現可能性、性能などの技術評価を受付

 ・汚染水の発生量を可能な限り減少させる取組を継続

 

 

これらの条項は決定事項の一部でありますが、私森まさこが以前に委員会にて質問した内容が反映されています。元になった私の質問を簡単にご紹介します。

 

 

4/9 東日本大震災復興特別委員会

 

(4/1に福島県で漁業の本格操業が始まった翌日に、福島第一原発処理水の海洋放出の方針が示されたことを受けて)

 

<森まさこ>

 

「新たな予算が必要なのはもう決まっているんですよ。影響を慎重に見極めて、 見込まれた場合には予算を新設するのでは間に合わないです。 すぐにこの処理水ショックに対応する予算を新設することを強く要望をいたしたいというふうに思います。

 

先ほど言ったように、 十年ずっと努力をしてきたわけでございます。 地震があり、津波があり、原発事故があり、風評被害があり、 風化があって、 それに耐え抜いてきたんだけれども、令和元年の台風もあり、そして今年の大きな地震、これは余震だということですが、十年後に大きな地震があって、 昨作日もその地域の首長と話をしてきましたけど、 もう本当に倒れそうになって対応してきます。 その合間にコロナも起きていて、 もう本当に福島県は、漁業者だけでなく農業者も商工業者も観光業も本当に風前のともしびであります。

 

もう既に、毎日のように倒産をしてしまった業者の話も聞いているわけです。 ここで処理水ショックがあったら、みんな本当に立っていられないんです。 だから、 にの処理水について、安全なのは分かっていますよ、 それについての情報発信もしっかりやるということで、それはお願いします。

 

しかし、これは処理水ショックに対しての、 風評被害に対しての新たな予算措置、これはもう本当に同時に作っていただきたいと思います。そして、 その規模は、 予備費を使って大きな規模でしっかりと対応できるものを作っていただきたい、 まとまった金額を入れていただきたいと思います。 そして、 その中身は今までやってきたようなことの焼き直しでは足りないんです。それでは足りないんです。

 

ですから、今ちょっと副大臣も言いましたけど、 新たな事業を、新たな効果的な事業を今までの前例を突き破ってつくっていただきたいと思います。 様々な産業の財政面も支える、金融面も支える、 そしてそれをきちっとコンサルしていく、海外展開までも考えてやっていくということまで支援をしていくようにやっていただきたいと思いますが、経産副大臣、 もう一度この新たな予算、しっかり作るということについてお答えをいただきたいと思います。」

 

 

5/31 決算委員会

 

「今年は東日本大震災から十年です。令和元年台風や福島県沖地震の被害もあり、コロナ禍も相まって福島県が壊滅的な打撃を受けているさなかでの政府決定でした。決定プロセスについて、もっと被災者に寄り添ってほしかったです。

 

つまり、四月二日に官邸から漁業組合長に電話が来ましたが、四月一日、 福島県が十年ぶりに漁業の本格操業を開始した翌日だったのです。 漁業者のそれまでの苦しみ、 御遺体の捜索から始まり、瓦磯の片付け、 試験操業と魚の放射線量の検査、気の遠くなるような作業をしてきました。本当に再開できるのかと、不安と闘いながらやってきました。 その翌日に官邸から電話が来たわけです。

 

復興大臣や環境大臣ら関係大臣に日時ややり方などをよく相談してやるべきであったと思っています。これは本当に苦渋の決断でこのような結論に至ったと被災地に説明して、納得する方法を取るべきです。 これでは、内堀知事もおっしゃったとおり、 これから国が風評被害、安全対策をしっかりやっていただけるのかどうか、福島県民は大きな不安を持ってしまったと言わざるを得ません。

 

処理水の新たな風評被害は必ず起こる、 いや、 もう起こっている。 それに対する対策もまだ提示されていません。

資料四の三に福島民報記事、そこにマーカーを引いておきましたが、これまでの風評被害対策の焼き直しでは全く効果は見込めません。 処理水対策のための新たな予算の枠組みをつくってください。」

 

 

 

 

5/31 予算委員会にて

 

こちらが私の質問内容の一部になるのですが、新たな予算(基金)の増設、地元意見の汲み取り、汚染水の発生量を可能な限り減少させる取組継続などが、今回の決定に反映されています。

結びになりますが、今回の決定にも盛り込まれ、忘れてはならない言葉を記します。

 

「福島の復興なくして、東北の復興なし。東北の復興なくして、日本の再生なし。」