皆さん、こんにちは。参議院議員の森まさこです。

 

4/8の法務委員会にて、質問に立ちました。

インターネット審議中継にアーカイブが配信されていますので是非ご覧ください。

 

https://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/detail.php?sid=6260#112.4

 

主な質問内容は、

「京都コングレスのサイドイベント」「取り調べの弁護人立ち会い」「性犯罪の刑罰見直し」についてです。

 

<森まさこ>

 京都コングレスでは、議長を務めた上川大臣の国際感覚が際立っていました。日本国民として誇らしかったです。

 資料一と二を御覧ください。

 

 この京都コングレスのサイドイベントの日本の刑事司法に関するオンラインイベントは、七百人以上のアクセスがあり、カルロス・ゴーン事件を契機とする日本の刑事司法制度に対する多くの誤解を解くために効果があったと思います。是非この動画を引き続き視聴できるようにしてほしいのですが、大臣、いかがでしょうか。

 

<上川陽子法務大臣>

 京都コングレスの開催、これで一か月がたとうとしておるところでございます。委員も大臣時代に、この京都コングレスにつきまして、特にサイドイベントの開催については大きな御指導をいただいたものと承知をしております。ありがとうございました。

 この我が国の刑事司法制度につきまして、正しい理解の醸成ということは極めて重要でございまして、その意味で正確な情報をしっかりと国際的にも発信していくということが重要と考えます。

 そうした中で、今回、具体的に国連への提出文書、また参加者への配付資料等におきまして我が国の制度につきまして的確な説明に努めたほか、サイドイベントとして日米の法学者によるパネルディスカッションを実施し、日本の刑事司法制度についての比較的な視点からの議論をしていただき、そして、そのものを今委員から御指摘の法務省のコングレスサイトにおきましてオンデマンドで配信を行ったところでございます。動画ということにつきましても、記録として極めて重要なものでございます。

 これは、この終了した後にどうするかということでございますが、このイベントにつきましては動画配信も終了したところでございますが、法務省では、引き続き諸外国に向けまして効果的な発信体制、方法を検討いたします。刑事司法制度その他の法務省の各種の施策につきまして、国際的な理解を得られるよう、積極広報ということに努めてまいりたいというふうに思っております。何らかの形、その議論の内容につきましても、できる限りの発信をしてまいりたいというふうに考えております。

 

<森まさこ>

 是非、この動画、大変好評でございましたので、例えば、動画自体は国連の許可も必要なんでしょうが、その議事概要を起こして法務省のホームページで紹介するなどの広報に努めていただきたいと要望をいたします。

 二問目に移ります。

 取調べの弁護人立会いについて、前回は刑事局長の御答弁でしたので、大臣に答弁をいただきたいと思います。

 取調べの弁護人立会いがないことは、ダボス会議を始め海外から批判をされています。京都コングレスのサイドイベントでも、日本の制度に好意的なアメリカ学者でさえ、この問題だけは指摘をしておられました。

 前回、刑事局長が答弁をなさった内容ですが、今回、大臣が御答弁をいただくということで、議論を分かりやすく整理したいと思いまして、資料を準備いたしました。

 資料三を御覧ください。

 前回の、刑訴法の改正がございました、その附則九条によると、一項で録音、録画の見直し、二項で「前項に定めるもののほか、」とありますから、見直しの対象は録音、録画に限らないことは明らかです。つまり、取調べの立会いが三年後の見直しの対象ではないと言い切ることはできません。

 さらには、資料四の四ページを御覧ください。

 今年の二月十六日、法務省政策評価会議で、法務省自ら、三年後見直しを含む適切な時期に見直すと答弁しているのです。この答弁は法務・検察行政刷新会議の報告書に触れておりますが、それは資料五の十ページと資料六の二十三ページにございます。

 資料六の二枚目でございますが、ページ数二十三ページでございます、これを御覧ください。資料六の二十三ページ、これは昨年十二月二十五日頃に、上川大臣宛てに鎌田座長から手渡されました。ここに法務大臣に対する記述があるので読み上げます。

 とりわけ被疑者取調べへの弁護人の立会いについて様々な意見が示されたところであり、令和元年六月までに施行された平成二十八年改正刑事訴訟法の三年後検討が予定されていることから、法務大臣において、前記各意見の趣旨も十分にしんしゃくし、検討のために必要十分な資料を収集、分析した上で、三年後検討の場を含む適切な場において、弁護人立会いの是非も含めた刑事司法制度全体の在り方について、社会の変化に留意しつつ、刑事手続の専門家以外の多様な視点も含めた幅広い観点からの検討がなされるよう適切に対応すること、とございます。

 そもそも、改正法の録音、録画が法制審に諮問される前提となった法務省内の検討会である検察の在り方検討会議では、取調べの立会いが議論に上がっていました。というのも、改正の発端となった検察のフロッピーディスク証拠偽造事件の村木厚子さん本人が検察の在り方検討会議のヒアリングで取調べの立会いの導入を求めているのです。しかし、検察の在り方検討会議の取りまとめ後、録音、録画だけが諮問されたのです。

 ですから、改正の三年後の見直しでは、録音、録画だけで足りるのか、取調べの弁護人立会いが必要なのかを議論すべきことはむしろ当然と考えています。三年後とはいつか。令和五年に当たります。大臣、令和五年を見据えて、先ほどの資料六の刷新会議の報告書を踏まえて、いつ取調べの弁護人立会いについて検討を開始されるおつもりですか。また、どのような場でされるおつもりでしょうか。御答弁をお願いいたします。

 

 

<上川陽子法務大臣>

委員御指摘の被疑者の取調べへの弁護人の立会いの制度についてでございますが、御紹介いただきました法務・検察行政刷新会議におきましても、制度の導入を求める意見がある一方で、現行法の下でこの制度だけを導入した場合の支障についても強い懸念を示す意見もあるなど、様々な御意見が示されたものと承知をしております。

 先ほど委員から法務・検察行政刷新会議におきましてのそのことに記述してある部分について読み上げていただいたところでございますが、そういう状況の中での御提言になったというふうに思っております。

 この制度につきましては、平成二十八年の刑訴法の改正に先立つ法制審議会新時代の刑事司法制度特別部会におきまして議論をされたものでございます。取調べの在り方を根本的に変質させて、その機能を大幅に損なうおそれが大きいという問題が指摘されまして、その上で導入しないということとされたものと承知をしております。

 したがいまして、被疑者の取調べへの弁護人の立会いの制度につきましては慎重な検討を要すると考えておりますが、先日の三月三十日、私、答弁をさせていただきましたけれども、私の方から刑事局に対しまして適切に対応するよう指示をしたところでございます。

 法制審議会、また法務・検察行政刷新会議での様々な御意見も踏まえつつ、適切に対応していくものと承知をしております。

 

<森まさこ>

 大臣、ありがとうございます。

 大臣から刑事局に指示がなされたということでございますが、その後の刑事局長の答弁が、指示をされた割には積極的な対応を感じさせないものであったものですから、今回、再度質問をさせていただきました。是非、大臣から更に、再度、三年後の見直しを含む適切な時期に検討するようにというふうに指示をお願いしたいと思います。国際世論からの批判も多くございます。

 そして一方で、捜査手法が海外と異なり、手足がとても少ないんだというような捜査機関からの意見もございます。それでありましたら、制度設計を工夫してそのバランスを取るように、そういった議論をもっと国民を巻き込んですることが望ましいというふうに考えておりますので、御検討をよろしくお願いいたします。

 三問目に参ります。

 性犯罪について質問をします。

 この性犯罪についても、刑法の改正に三年後見直しが付いています。三年後の時期は令和二年に当たりますので、令和二年に私がこの検討会を設置いたしました。資料七にございます。上川大臣が熱心にお取り組みになられたワンツー議連の申入れを受けてしたものでございます。

 資料七にある検討会のメンバーは七割が女性を任命しました。また、新たな取組として、被疑者側だけではなく被害者側の弁護士を初めて入れました。そして、被害者団体にも初めて入っていただいたということでございます。この検討会のその前の検討のときには、従来は、一人を除き全て実務家、つまり弁護士、検事、裁判官、学者によって構成されておりましたが、それ以外の、被害者側の、本人たちの声をより多く反映させようという趣旨で構成をいたしました。

 前回の検討会は平成二十七年、そこで検討された論点が全て法制審に諮問されたわけではございませんので、残された論点は二十七年から六年間そのままになっております。是非、今度は、女性の割合も多いこの検討会の、そして被害者の視点がより多く入っているこの検討会の出された論点はしっかりと法制審の議論にかけていただきたいと願っています。そろそろ検討会の取りまとめの時期に入ると伺っております。更にスピードアップということをお願いしたいと思います。

 今から法制審にかけるとしまして、そしてその後改正となると、二十七年のときに取り残された論点は、そこから始まって六年プラス何年かたって、もう十年の声を聞いてしまうのではないかと恐れています。その間に毎日のように被害者が出ているということを考えますと、是非、大臣に早く法制審に諮問をしていただき、改正に向けて進んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 

<上川陽子法務大臣>

性犯罪は、被害者の尊厳を著しく侵害する、その心身に長年にわたりまして重大な苦痛を与え続けるというものでありまして、決して許されるものではございません。厳正に対処していく必要があるものと認識をしております。私も、その意味で、この問題、そして被害者の方々の声を受け止めながら、粘り強く皆さんとともに活動してきたところでございます。

 今般、性犯罪に関する刑事法の検討会、これを立ち上げていただきまして、そして、今、令和二年の六月からこれまでの間に十四回の会合を開催をされているところでございます。多角的な論点から様々な議論が活発に行われてきたものと思います。構成のメンバーの中に被害者を代表する、被害者の支援を代表する方にも入っていただく、また、それに関連している弁護士の皆様にも入っていただくと、こうした形の中でこの十四回の議論がなされてきたところでございます。

 十四回の会合は令和三年三月三十日の開催でございましたけれども、座長から、次回の第十五回、この会合は四月の十二日開催する予定ということでございますが、それ以降、取りまとめに向けました議論を行いたい旨の提案があり、これが了承されたと聞いているところでございます。この検討会におきましては、様々な意見を取りまとめ、更に御議論が深まるということを通して、迅速かつ充実した審議をお願いしてきたところでございますので、しっかりとそれを待ちたいというふうに思います。

 法制審議会へのまた諮問という形の中でのこの御質問でございますが、今の段階で最終的な取りまとめはお任せしているという状況でありますので、それをもってその諮問の部分の時期まで明示することができないところでございますが、いずれにしても状況は非常に切実な状況がありますので、その意味で更に充実した御議論がなされるよう期待をさせていただいているところでございます。

 

<森まさこ>

質問を終わります。ありがとうございました。