皆さん、こんにちは。

参議院議員の森まさこです。

 

4月9日の東日本大震災復興特別委員会にて質問に立ちました。

インターネット審議中継にアーカイブが配信されていますので是非ご覧ください。

https://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/detail.php?sid=6267#170.0

 

主な質問内容は、「処理水」「原発のテロ防護対策」「観光、風評対策」「福島県沖地震」についてです。

 

<森まさこ>

 まず、処理水について質問いたします。

 資料一と二を御覧ください。

 これは、福島民報、福島民友という福島県の地元の新聞でございますけれども、処理水について、地元の強い反対認識と書いてあります。二枚目には、県内漁業団体、強い懸念と書いてあります。処理水について、突然、七日、おとといに、官邸に漁業組合の会長が来て、処理方法の決定について総理と会談をいたしました。このことは、私自身、寝耳に水の話でございます。福島県の国会議員にも話はなし、福島県の関係者たちにも何の話もなかったということで、突然前の日の夕方に報道されて知った。非常に驚きました。

 やはりこのことについては、江島経産副大臣に前回私が質問させていただきましたが、地元への丁寧な説明をということをそのときもお約束していただいたのに、説明もなくこのようなことが行われたということで、私自身は本当に怒りを覚えています。

 また、そのやり方ですね。やはり福島県に来て言っていただきたかったです。苦渋の決断というのは分かります。廃炉を進めるためにという苦渋の決断ということは分かります。しかし、それであればこそ、それを示すためにも福島県に来てほしかったと思います。

 そして、その時期ですよね。四月一日に本格操業を始めたばかりなんです。その翌日の四月二日に官邸に来てくれという話があったということなんです。漁業者のこの十年間の血のにじむような本格操業までのその姿を見てきました。本当に、原発事故のその後片付けから、御遺体の残る海、そして瓦れきの残る海、そこを自ら片付けしながらの十年間です。試験操業を重ねて、やっと本格操業になったその翌日にということで、私は、何で福島県の人間にその時期ややり方や寄り添い方を相談してくれなかったのかというふうに思います。

 決定しても実行するまでには二年掛かるそうですが、もう既に風評被害は始まってしまいます。その二年間の間にしっかりと理解を得るための具体的な方法を示していただきたいし、理解を得られなければ実行しないぐらいの、そのぐらいの強い覚悟を示してほしいと思います。

 江島副大臣、いかがですか。

 

<江島経産副大臣>

 まず、この全漁連を始め漁業者の皆様には、これまでもALPS処理水に関しましては議論を重ねに重ねてきているところでございます。

 まず、昨年の四月に、これ福島の方で開催をいたしましたこの御意見を伺う場でございます。これには、福島県漁連の野崎会長に御参加をいただいております。それから、昨年の十月には全漁連の岸会長に御出席をいただきまして、私自身も、昨年九月から着任しておりますけれども、直接岸会長から御意見を伺うことがございました。また、同じ十月でありますけれども、野崎会長にも直接私が御意見を伺っているところでございます。また、野崎会長には、岸会長から梶山経産大臣など関係閣僚に対しても、直接この要請書を手交していただいているところであります。また、これらの漁業関係者の皆様とのやり取りを踏まえまして、昨年の十一月に全漁連の理事会の方に、これは梶山経産大臣が理事会の方に直接お伺いをして、ALPS処理水の取扱いに関するこれまでの議論の経緯等について大臣から説明をしているところでございます。

 このような漁業関係者の皆様とのやり取りを積み上げていく中で、この度は、総理が全漁連の岸会長始め全国の幹部の皆様の声を直接伺うことや、あるいは政府の対応についての理解、それから今後の協力をお願いすることが重要だという判断の下で、梶山経産大臣が呼びかけをして、七日の総理との面会が実現をしたものと承知をしておりまして、この七日の面会の日の当日に私も、このような形で面会がセットされるということを初めて私も報告を受けたところでございます。

 一方で、まさに森委員の御指摘のとおりでありますが、地元関係者の皆様に、このALPS処理水の検討状況を始めとして、廃炉の進捗状況などを丁寧に説明して御理解をいただくということは大変重要でございます。

 私自身も、本職を拝命してから、現地対策本部長として何度も福島に訪問をさせていただきまして、様々な関係者といろいろな意見交換を重ねてきているところでありますし、これからもこれは、この政府の方針決定がなされた後も引き続き訪問をして、地元関係の皆様の声をしっかりと受け止めていきたいと思います。

 是非、今後のまたプロセスにおきまして、森先生を始めとして御地元の先生方にもしっかり御指導をいただきながら、この現地対策本部長としての職を務めてまいりたいと思います。

 

<森まさこ>

 いや、江島副大臣は現地対策本部長でございましょう。それなのに当日の朝に知ったということに、私は本当に非常に驚きを覚えました。

 何回も江島さんが福島県に来てくださっていることは知っています。漁業者の方とも何回も協議を重ねてくださいましたけど、だからこそ、やはり現地対策本部長がしっかりそういったことを押さえて、その時期、やり方、中身等についても進言しなければいけないんですよ。本当に私は、このことに対しては苦言を申し上げておきます。

 今、江島副大臣からお話しになったように、当日、おととい、総理から方針を決定することに対しての理解とその後の対応に当たっての協力を要請したというふうに言われましたけれども、これに対して、全漁連の岸会長、そして我が福島県の野崎漁連会長からは、断固反対の立場は変わらないと言っております。それはもう漁業者としては当然のことです。私も福島県の浜通りに生まれて、魚とともに育ってきました。漁業とともに栄えてきたこの浜通り、福島県でございます。

 そして、漁業者だけを呼びましたけど、漁業だけではないんですね、この影響を受けるのは。農業も観光も、全てにこの処理水の決定がなされたら深刻な影響が懸念されます。もちろん、安全性については、この間の副大臣の説明で私は理解いたしました。しかし、この安全であるということも国民にまだ浸透しているとは言えない状況にございます。

 漁連からは五つの課題が示されましたけれども、これは決して条件ではないということもおっしゃっていました。

 この五つの課題。一つ目は、処分について漁業者と福島県民と国民へ責任ある説明をしてほしいということです。

 そして二つ目は、会談がされたことによって新たな風評被害が残念ながら始まっています。この今までの風評被害も、これも大変でした。十年、それを乗り越えるために闘ってきたんです。しかし、それもまだ解決をしていないときに更にこの処理水ショックという新たな風評被害が出てきましたら、処理水の処分を実行するのが仮に今から二年後だとしても、風評被害自体の、発生してしまう風評被害への万全な対応をしてほしいということです。

 三つ目は、処理水を安全に処分するということを実行できるのかという問題です。これは、後ほど東電さんにも質問させていただきます。

 四つ目は、将来にわたり漁業を継続できるような対応を取ってほしいということです。

 これは、今までもずっと言ってきましたが、具体的な対策はいまだに政府から示されておりません。四つ目のこの漁業を継続するという対応ということについては、今すぐにでも提示をしていただきたいと思います。先ほど言ったように、四月一日にようやく本格操業を開始して、四月二日に呼出しが来たという、そして四月七日に政府から要請をされたという、漁業者のやる気を砕くような対応でございます。何があっても、本格操業始めたばかりの漁業をしっかり継続できるような対応を取ってほしい、実際にどのような対応をするのか聞いてみたいと思います。

 例えば、今まで地元からはいろんなアイデアが挙がっているんです。陸の漁業、最近いろいろございますけれども、そういった設備を設置する、また、技術指導するということに対しての支援でありますとか、もちろん、海での漁業についても価格補償を含めしっかりと支援をしていく体制などでございます。今、後継者不足に悩んでいる漁業の後継者の皆様が、希望を持って将来漁業を続けるという気持ちになるような対策を必ず示してほしいと思います。

 最後は、半減期を念頭に置いた保管継続などの方策をしっかり検討していただきたいということが示されています。

 実際にこの決定をするのはいつなんでしょうか。十三日という報道が流れていますが、適切なタイミングで早期に結論を出していくという政府の言いぶり、よく分かりませんけれども、一体十三日に結論を出すのでしょうか。江島副大臣にお答えいただきたいと思います。

 

<江島経産副大臣>

 私も、議員になりまして、この水産行政にいろんな形で携わってまいりました。また、同じ水産をなりわいとする町の出身として、この福島の水産の今後の行く末というのは非常に気にしている者の一人でございます。

 特に、この風評被害によってこの福島の水産が再び悪化するというようなことは、何としてもこれは避けなければいけないと思っております。そのためにも、この風評被害というものは、まず起こさない、そして起きた場合にはそれを最小限にとどめてまた回復をしていくという、いろいろな策を講じなければいけないと考えております。

 今後、何らかの形でこのALPS処理水を処分をする場合には、まずは、その結果、風評の影響を受け得る方々の意見にしっかり耳を傾けてまいります。これは、委員御指摘のように、この水産業だけではなくてほかの業界、業態によっても受ける可能性は十分ありますので、そういう方々も含めてしっかりとまず拝聴させていただきます。そして、それに対しましては国が前面に立ってその払拭に取り組んでいくという決意も併せてお示しをしているところであります。

 また、これまでも、水産業の方々以外にも、地元の自治体、あるいは農林水産業者、幅広くこの御意見、御懸念等を風評に関しては伺っております。これは経産省だけでは対応し切れないものたくさんありますので、関係省庁の間で風評対策に関しての検討は重ねているところでございます。

 具体的に少し申し上げますと、これまでの震災以降の経験を踏まえながら、モニタリングの強化、それから安全、安心に関わる科学的根拠に基づく情報発信、それから農水産品の販売促進、このような風評影響を最大限抑制をする観点から必要な取組において行っているところでございます。

 そして、いろいろ、今までの取組以外のもっといろんなことも検討すべきという声に対しましては、これまで実施してきた取組や業種、これに限定をしないで効果的な新しいアイデアをしっかり取り組んでいく決意であります。

 一例を挙げますと、先日、三月の二十三日でありますが、梶山経産大臣がIAEAのグロッシー事務局長と面談をしております。そのときに、仮にALPS処理水を処分をする場合には、その安全性は厳しく確認をし、国内外に透明性高く発信をしていただけるということを約束をしたところであります。したがいまして、これによって国内外にこのALPS処理水の取扱いの安全性をまた一歩証明できるんではないかと思います。そして、これが風評をまた抑制することにもつながるというふうに考えております。

 こういう取組は、是非、これはALPS処理水の取扱いの決定と併せて政府として責任を持ってお示しをさせていただきたいと思います。また、お示しをするこの風評対策を実施するために必要な予算でありますが、これは令和二年度の補正予算、それから令和三年度の当初予算を効果的に活用して機動的に対策を講じたいと思います。

 また、十三日に決めるのかという御質問でありますけれども、これは、今日現時点で私は十三日に決定ということは掌握はしておりません。

 また、風評被害でありますが、大変にこれは本当に心の問題でもありまして難しいと私も認識をしております。国内外の小売事業者、それから消費者、様々な方の心理的な受け止め方によってこれは変化する事象でございます。そのために、この方針を仮に決定をした後も、是非、風評被害の影響に関しましては、丁寧に確認をしながらしっかりと機動的に対応していくということを今経産省としては考えております。また、それに伴って新たな予算が必要だと見込まれた場合には、是非これはその対応に関しましてもしっかりとしていきたいと思います。

 

<森まさこ>

新たな予算が必要なのはもう決まっているんですよ。影響を慎重に見極めて、見込まれた場合には予算を新設するのでは間に合わないです。すぐにこの処理水ショックに対応する予算を新設することを強く要望をいたしたいというふうに思います。

 先ほど言ったように、十年ずっと努力をしてきたわけでございます。地震があり、津波があり、原発事故があり、風評被害があり、風化があって、それに耐え抜いてきたんだけれども、令和元年の台風もあり、そして今年の大きな地震、これは余震だということですが、十年後に大きな地震があって、昨日もその地域の首長と話をしてきましたけど、もう本当に倒れそうになって対応してきます。その合間にコロナも起きていて、もう本当に福島県は、漁業者だけでなく農業者も商工業者も観光業も本当に風前のともしびであります。もう既に、毎日のように倒産をしてしまった業者の話も聞いているわけです。ここで処理水ショックがあったら、みんな本当に立っていられないんです。だから、この処理水について、安全なのは分かっていますよ、それについての情報発信もしっかりやるということで、それはお願いします。

 しかし、これは処理水ショックに対しての、風評被害に対しての新たな予算措置、これはもう本当に同時に作っていただきたいと思います。そして、その規模は、予備費を使って大きな規模でしっかりと対応できるものを作っていただきたい、まとまった金額を入れていただきたいと思います。そして、その中身は今までやってきたようなことの焼き直しでは足りないんです。それでは足りないんです。

 ですから、今ちょっと副大臣も言いましたけど、新たな事業を、新たな効果的な事業を今までの前例を突き破ってつくっていただきたいと思います。様々な産業の財政面も支える、金融面も支える、そしてそれをきちっとコンサルしていく、海外展開までも考えてやっていくということまで支援をしていくようにやっていただきたいと思いますが、経産副大臣、もう一度この新たな予算、しっかり作るということについてお答えをいただきたいと思います。

 

<江島経産副大臣>

重ねて申し上げますが、この風評被害に対しましては国が前面に立って責任を持って取り組んでまいります。したがいまして、具体的なこの処理水の方法の決定に併せまして責任を持ってこの風評被害対策を発表していきたいと思いますし、またそれに伴う予算も確実に確保できるように努力してまいります。

 

<森まさこ>

 そして、その予算で行う新たな事業ですけれども、地元の声をちゃんと聞いてほしいんですよ。今回も地元の声を本当に聞いているのかなという、本当に残念に思うんですけれども、地元の方をメンバーに入れた処理水風評対策、対策会議のようなものを立ち上げていただいて、どんな新たな事業をその予算で展開していくのか、どんなことをやったら効果的なのか、どんなことをやって支えてほしいと地元は思っているのか、そういう検討する場をつくっていただきたいと思いますが、いかがですか。

 

<江島経産副大臣>

政府方針が決定をしましたら、直ちに私もまた現地に足を運びまして様々な関係各位との報告や意見交換をしてまいりたいと思いますが、そのまた中におきまして、この風評対策も、今、森委員が御指摘の方向に沿ってしっかりと取り組んでいきたいと思います。

 

<森まさこ>

 そして、原発のテロ防護対策に問題を起こしたばかりの東電でございますが、実際にこの処理水の対策が決まったときに安全に処理水を処分できるのか、答弁をお願いします。

 

<東京電力ホールディングス株式会社 文挾誠一 代表執行役副社長>

 それでは、お答えさせていただきます。

 これから国から方針が示されるということになると思いますが、いずれの方法にしろ、処分につきましては、我々当事者でございますので、しっかりと責任を持って取り組んでまいりたいというふうに思います。

 当社は、2020年3月の検討素案でお示しをさせていただいておりますが、処理水を環境に放出するに当たりましては、放出する前の水につきまして、当社だけではなくて第三者による分析もきちっと行った上で、その法律に定める基準未満値であることを確認した上で、安全に実行ができるように取り組んでまいりたいというふうに思います。

 また、風評被害ということでございますが、これを起こさないためにということで、情報の発信に当たりましても、これは関係者の御意見を伺いながら、分かりやすく丁寧に安全性について公表してまいりたいというふうに考えてございます。

 以上でございます。

 

<森まさこ>

 当事者ですのでしっかりと取り組んでいきたいというのは、テロ防護対策できなかったその口で言われても、全く信頼できないですね。

 ですので、要するに、今言った第三者のチェックですか、そこの第三者に誰を選ぶかというそのメンバーが大事だと思いますので、しっかりと客観的な目でチェックできるように、私も今後しっかり注視をしていきたいと思います。

 次の質問に入ります。

 テロ防護対策ですね。今日、このテロ防護対策、失敗があったということで、東電の社長をこの委員会に招致をしたんですが、いらっしゃいませんでした。おととい、東電の社長の記者会見がありました。これはもう本当に大きな問題ですよ。それなのに、どうして復興のことをやる当委員会に社長が来ないんですか。説明してください。

 

<東京電力ホールディングス株式会社 文挾誠一 代表執行役副社長>

 大変申し訳ございません。

 社長所用によりまして、本日は私が対応させていただきます。

 

<森まさこ>

 誠実性が感じられません。理事会でも、どうして今日これ社長が来ないんだという御意見が出たんですよ。

 記者会見を見ても、もう社長のこのテロ防護対策のミスについて、反省の色が感じられませんでした。テロ防護措置の設備が壊れていたと。それがあって三十日間放置をされていたんですよね。そのときに代替措置をとったと。代替措置をとったけれども、代替措置も機能していなかったわけでしょう。また、そのことについて、謝るなら分かります。そのことについて何と言ったかといったら、規制庁からは基準を満たしていなかったと評価されたが、自分たちはやっているつもりだと、そういう言い方ですから。

 その代替措置がもう効果を満たしていなかったということについては、テロ防護の観点から具体的なことは言えないようですけれども、本当に初歩的なレベルのミスでしょう。こんなことで、もしテロの侵入を起こしたら、原発に何かあったらと思いますと、国家の存立と国民の命に関わる問題ですよ。その結果の重大性を考えたら、このような稚拙なミスは許されるものではないんです。先ほど当事者だからしっかりやると言いましたが、そう言っておきながら、こんな稚拙なミスをして三十日間もテロの侵入を許すような状況を放置していたということで、私は東電の体制を見直さざるを得ないというふうに思います。

 規制する側の規制委員会に質問をいたします。

 今回、規制委員会では、設備の故障について報告を受けることを義務付けていなかったということです。ですので、最初に設備が壊れてから長期間テロの侵入を許す状態になっているということに気が付いていませんでした。つまり、代替措置がとられたことも、それが機能していなかったことも三十日間知らなかった。検査に入ってやっと気が付いたということです。

 先ほど申し上げたように、気が付かなかったでは済まされない問題なんです。このようなことでは、福島県の原発の廃炉も東電さんに安心して任せられませんよ。これが改善されないのであれば、私たちは規制委員会も東電さんも信用できないと思います。そういう意味で、私は規制委員会も検査のやり方自体を見直すべきだと思います。

 私は、自民党の治安・テロ調査会長を四年間やらせていただいて、各国のテロ防護対策を見てまいりました。また、国際危機管理士、エマージェンシーマネジャーの資格も取りまして勉強してまいりましたが、諸外国では規制する官庁の規制官が常に原発に常駐をして監視するんですよ。規制庁では、日本ではですよ、現場に検査官がいる場合でもテロ防護については見ていなかった、見るルールになっていないということなんです。もう本当に唖然とします。

 このテロ防護については、私どもが幾ら尋ねても、テロ防護については秘密が漏れたらテロ防護にならないから答えられないんですと言って、我が国は原発のテロ防護体制については国会議員にも明らかにされることがないんですよ。だから、信頼をしてお任せするしかないんだけれども、今回このようなことが起きたら全く信頼できないんです。

 ですから、規制庁に、更田委員長、今日来ていただきましたけれども、今後はやり方を変えて、テロ防護のセキュリティーをチェックする検査官を常駐させるという仕組みに変えたらいかがですか。

 

<更田 原子力規制委員会委員長>

 お答えいたします。

 先生御指摘のように、核物質防護につきましては、情報の管理に細心の注意を払うという必要がありますことから、情報に触れる者の範囲をできるだけ広げずに、核物質防護に係る専門知識や専門資格を持った職員による検査にこれまで限っておりました。

 今回、東京電力の事案を受けて、まず、設備の故障が判明をした後、代替措置が十分なものかというものの確認に、これは急ごうということで、二十四時間常駐をしております常駐の検査官を活用する形を取りました。今回、これが功を奏して、抜き打ちでなくても同じ結果だったかもしれませんけれども、代替措置が極めて不十分なものであるということは把握することができました。

 今後、先生の御指摘のとおり、改善の必要はあると規制委員会でも考えておりまして、常駐の検査官を核物質防護に係る規制にも活用してまいりたいというふうに考えております。

 

<森まさこ>

 私、三月三日の予算委員会で総理に対して質問したんですけど、福島弁で言うと、だから言ったっぺということなんですけど、あのときに私が総理に提案したんですよ。原発のことだけじゃない、テロのことだけじゃない、津波のことだけじゃない、これからは危機というものは複合的に来るということを考えて、オールハザードで対応するというのがエマージェンシーマネジャー協会でも国際的なもう本当に常識になっています。でも、我が国は一個ずつ全部縦割りにやっているんです。だから、今回、原発のテロ防護ということに関して本当に隙間があったんですね。私は、官邸の中に危機管理室、まあ今もあるんですけど、それをバージョンアップしてオールハザードアプローチをできるような仕組みにするべきというふうに提案をしたんです。

 復興大臣と江島経産副大臣の方で、官邸の中でこういう危機管理体制ができるように応援をしていただきたいということを今日はお願いをするのにとどまらせていただきますけれども、よろしくお願いしたいというふうに思います。

 次に、この処理水が決定される、方針が決定されることによって、新たな予算で対策を取ってもらうことをお願いしておりますが、現状で観光庁は観光の風評対策についてはどんな対策を取るおつもりなんでしょうか。

 

<朝日 国土交通大臣政務官>

 お答え申し上げます。

 福島県の観光振興につきましては、原発事故に関わる風評の影響がいまだ残っていると国土交通省でも考えておりまして、福島県ならではの魅力や安全性を正確に発信をし、福島への人の流れを生み出していくことが重要だと考えております。

 令和三年度も、福島県が独自に取り組まれております福島県観光関連復興事業実施計画に基づく風評の払拭に向けた県の取組を観光庁の予算で支援することを続けております。さらに、先般の当委員会におきまして森委員から御指摘がありました風評対策を一層強化する観点から、令和二年度も、第三次補正予算を活用いたしまして、福島県における観光資源の磨き上げや風評防止のための情報発信を重点的に支援する事業を新たに実施することといたしました。

 今後とも、先生の御地元であります福島県の御指導をいただきながら、様々な風評が福島県の観光事業に及ぼす影響を注視し、また安全性に関する正確な情報を発信しながら全力で支援してまいりたいと考えております。

 

<森まさこ>

 この規模が三億ということで、全然足りません。これは、この処理水ショックが起きる前に、私、国交省副大臣のところに行って、全然足りないじゃないかと怒ってきたんですけど、さらに、これで処理水の決定がなされたら、今言っているようなお話で福島県の観光業が救えると思いますか、平沢大臣。

 次に、復興大臣に答えてもらいたいと思うんですが、今日ずっと江島経産大臣にいろいろ御提案申し上げてきました。この処理水の問題について福島県民の気持ちに立っていただきたい。福島県民の気持ちに立って閣議の中で発言できるのは平沢復興大臣しかいないんですよ。ですから、私、お願いをいたしますけど、さっきから述べてきたこと、やり方を含め、時期も含め、内容も含め、本当に傷ついた福島県民の気持ちを背負って、これを決定するときには必ず新しい追加予算を大きな規模で取っていただいて、漁業始め全ての産業をしっかり守っていくという決意を述べていただきたいと思うんです。

 福島復興特別措置法の福島基本方針が閣議決定されましたが、私の前回の質問を踏まえて文章を入れていただきましたね。その文章は、被災地は今復興を進めている上に、コロナや台風や地震などが起きて幾重にも災害が重なり、負担が大きいのだというふうに書いてあります。その上にこの処理水の決定です。その思いを背負って、復興大臣、臨んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 

<平沢復興大臣>

 処理水の処分方針については、まだ決まったという報告は私は一切聞いておりません。恐らく、この問題については国民の皆さんの理解と協力が必要でございますので、そういった皆さん方の協力を得るために、関係者、今全力でいろいろと説明、そして協力を取り付けるための努力をされておられるのではないかなと思います。

 いずれにしましても、万が一、風評被害が出るということはあり得るわけで、しかもその可能性も極めて大きいわけでございまして、風評被害の問題については、こういったことが絶対に起こらないよう、そして、ゼロというのは難しくても、限りなくゼロに近づけることができるよう、風評被害をなくすべく、全力で取り組んで万が一の場合はいかなければいけないなと思っております。

 復興庁としての今年度の予算に風評対策に従前の四倍増の二十億円を計上させていただいたところでございまして、仮に処理水の処分方針が決定すれば、しっかりと分かりやすい情報発信を全力でさせていただきたいと考えておりますし、先ほど委員が言われました福島県、地域の方の声も反映させてほしいというのは全くそのとおりでございまして、もしそういったことになれば、そのやり方についてはしっかりと考えていきたいと思っております。

 

<森まさこ>

 是非よろしくお願いします。

 赤澤防災副大臣に来ていただいておりますけれども、福島県沖地震がございまして、大変政府の方でも頑張っていただいて、グループ補助金等もつくっていただきましたけれども、それが適用にならない住居の被害が非常に大きいんです。

 特に、相馬、新地エリアでございますが、新地町、非常に小さい自治体です。十年前も津波で大きな被害を受けましたが、今回はこの地震の被害で町の半分以上の方が住居に被害を受けていると。

 こういう小さな町が被害を受けたとき、町の職員の数も足りません。それを査定をするのに期限等を決められると間に合わないということになります。昨日、町長に電話をしたら、ようやっと終わったということでございますが、この経験を次回に生かしてほしいと。つまり、小さな町とそれ以外の大きな自治体も一緒に被害を被っていますが、災害のときは小さなところ、弱い人により被害がのしかかっていくんです。

 是非、政府は、小さな自治体に寄り添って、こちらから相談を伺いに行くという、そういう体制を整えていただくことをお願いしたいんですが、いかがでしょうか。

 

<赤澤 内閣府副大臣>

 森委員におかれては、先般の福島県沖地震においても精力的に御地元の状況を把握されて、内閣府に対して被災地に寄り添った、小さな自治体に本当に心を遣われる的確な助言をいただくなど、災害対応に御尽力されており、改めて心から敬意を表します。

 内閣府では、先般の福島県沖地震の発災後、職員を福島県に派遣をし、被災市町村の担当職員を対象に住家の被害認定に関する説明会において調査の留意点などについて説明を行うとともに、新地町を始めとする住家被害の大きな市町村に対し、個別に被害認定調査に係る助言を行ってまいりました。さらに、新地町より、職員の数が少なく、対応に苦慮しているとの声をいただき、内閣府から福島県に対し、新地町の調査体制の強化を図るよう助言を行ったところです。

 これを受けて、福島県においては、二月二十二日から延べ百五十五人の応援職員を新地町に派遣しており、体制の増強を図りつつ調査を進めてきた結果、新地町においては、四月七日の時点で、罹災証明書の交付申請件数千五百十九件に対して九割を超える千三百七十六棟の住家の被害認定調査が完了していると私は伺いましたが、先ほど委員のお話でもう全て終わったと、昨日の時点でという話でした。

 被害認定調査の調査期間については災害救助法で一定の定めがありますが、内閣府がそれを受けて、約一か月程度で終えるよう助言をし、人的支援などにも努めておりますけど、市町村として災害対応で忙殺される中、早期に調査を完了しなければならない大きな不安を感じることにつながるので、約一か月程度というめどはあくまでめどであり、例外も認められるということを丁寧に説明してまいりたいと思いますし、また、新地町のように、町内の住宅の半数以上が被災する一方、自治体が小さいために十分なマンパワーがなく大変苦労するということはありますので、自治体の規模が災害の規模に見合わない小規模な自治体に対する支援、重要と考えて、被害の実情を見極めながら県と連携して国としても十分な支援を行ってまいりたいと思います。

 

<森まさこ>

 まだまだ異議申立てがあって査定も続くようです。新たな被害も発見されたそうですので、政府の支援をよろしくお願いします。

 それでは質問を終わります。ありがとうございました。