みなさんこんにちは。参議院議員の森まさこです。

 

3月3日の予算委員会(TV中継)にて自民党代表で質問に立ちました。

インターネット審議中継にアーカイブが配信されていますので是非ご覧ください。

URL:https://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/sp/detail.php?sid=6153 

 

第5回は夫婦の氏についてです。

 

<森の質問内容>

私が委員長をしております自民党女性活躍推進特別委員会と内閣部会の合同会議で、昨年末、異例の回数と時間を掛けた大議論となりました。賛成と反対で、我が党ほぼ半数でございました。九年ぶりの議論でした。九年前に私が法務部会長のときに議論して以来の議論でした。

 議論をすべきだと思います。個人の議員が様々な意見を持つのはむしろ当然です。しかし、不便だと思う方、つらいと思う方がいる以上、どういう制度がふさわしいか議論をすべきと思います。

下記資料をご覧ください。

 

 

 一番上に書いてあるのが戸籍の、簡略化して書いてみましたけれども、現行です。甲野太郎さん、大臣じゃないですけど、河野太郎大臣じゃないですけど、甲野太郎さんが戸籍の筆頭者で、そこに太郎さんと花子さんと子供がいる。花子さんには乙野何がしと乙野何がしの子供ということが身分関係のところに書いてあります。

 そして、この現行法を基に通称の拡大、旧姓使用の通称拡大というものに取り組んできたわけですが、それでもなお、まだ不便がある。また、なかなかそれに、この現行法でなじまないという方はむしろ戸籍が別々になってしまっているという現実があるわけです。例えば、少子化で一人っ子が多くなり、家の氏がなくなるために結婚できない一人娘の会の皆様のヒアリングもいたしました。

 このように、自民党でも、真ん中の列に書いてある第三の道というのがありますが、一番下の列がいわゆる選択的夫婦別氏制度でございまして、平成八年の法制審の答申の案です。甲野太郎さんの戸籍の中に甲野太郎さんと乙野花子さん、そして子供の皆さんは法制審の案だと甲野という氏になりますが、ここにはまた様々な意見があると思います。

 第三の道は、稲田朋美議員が法務委員会で提唱した、甲野太郎という筆頭者の籍の中の花子さんのところに乙野を名のるということを届け出て戸籍に書き込むという案です。

 そして、森まさこ案というのもあるんですが、私は、ミドルネームと申しますか、甲野乙野太郎、甲野乙野花子、甲野乙野子供というように、ファミリーネームの第一姓は甲野なんですが、妻の方の姓も一緒に書けるという案を持っています。

 このように、自民党の中でもいろいろな案があるんです。議論を続けるべきです。自民党では、女活委員長である私から、下村政調会長始め党の幹部に議論を続ける場を設けるように意見を申し上げました。もうすぐ設置されると私は期待しています。

 そこで、質問は、政府が何をするかです。先ほど丸川大臣が答弁なさいました男女共同参画基本計画、ここに政府は更なる検討を進めると書いてあるんです。どんな検討をするんでしょうか。

 閣僚の中にもいろいろな意見があったと思います。昨年の末に小泉大臣も記者会見でお話しになっていました。小泉大臣は今でも記者会見でお話しになったと同じ意見でしょうか、御答弁いただけますか。

 

 

<小泉大臣の答弁>

 今、森先生から、私が選択的夫婦別姓の記者会見で述べたこと、今でも考えは変わりないかということですので、そのときのやり取りを紹介させていただくと、昨年十二月四日に、閣議後の記者会見で私はこう問われました。選択的夫婦別姓の制度の導入をめぐって自民党の女性活躍推進特別委員会や議連などで議論が活発になっています、制度の導入の是非と在り方について大臣のお考えを聞かせてくださいと。

 それに対する私の答えは以下のとおりです。

 選択的夫婦別姓については、仮に別姓でなければならないという制度だったら私は反対ですが、別姓にするか、それか今のとおりか選択ができるようになる、こうであれば反対する理由は何もないと思うんです。ですので、私のスタンスはそういうスタンスだということで、今日閣議のときにも橋本大臣とはお話をしましたが、私はそういう立場ですからと、こういうふうにお伝えしてあります。一部では家族のきずなが壊れるというふうな話もあるというふうに聞いていますが、別氏が嫌だと、別姓が嫌だという方はその選択肢を選ばなければいいわけですから、選択というのはそういうことだと思います。私は選択が可能な社会をつくることは非常に大切なことだと思いますと。

 これが私の回答で、今も考えに変わりはありません。

 

<森まさこ>

 ありがとうございます。

 ほかにも記者会見で答えた大臣がいるんです。河野太郎大臣、先ほどから戸籍の例で甲野太郎、甲野太郎と言って申し訳ないですが、河野太郎大臣も記者会見であのときお答えになっていました。今でもその考えに変わりはないですか。

 

 

<河野大臣の答弁>

こういう社会的な課題というのは、何も政府が白黒のポジションを取る必要はないんだろうと思います。

 かつて私は臓器移植法の改正案というものの提出者になったことがございますが、あのときは党議拘束を掛けず議員間で活発に議論をして、党議拘束なしで採決をしていただいて、改正案をお認めいただきました。

 相手の人格ですとか価値観を尊重し、そういう議論が議員間でできるならば、党議拘束を掛けずに、同じように法案を提出し、議論をし、それぞれの議員が賛否を述べて議論をし、採決をして決めるということがもっとあっていいと思いますし、私はこの問題もそうすべきだということを記者会見で申し上げたことがございますし、今でもそのとおりに思っております。

 

<森まさこ>

河野太郎大臣にもう一つお伺いしたいんですけど、規制改革担当大臣でいらっしゃいますね。

 戸籍は規制というのとは違うと思いますけど、そもそも規制改革会議の趣旨は、社会の要請からしてルールを見直すべきではないか、そして不便や不都合を解決しようというところに趣旨があると思うんですけど、そうであれば規制改革会議で一遍議題にするのも一つだと思いますが、いかがですか。

 

<河野大臣の答弁>

 規制改革推進会議の委員の皆様からもこの問題を取り上げたいという御意見がございます。

 かつて上川法務大臣と橋本男女共同参画担当大臣と私とでこの件について御相談をいたしましたが、これは規制改革というよりは男女共同参画の案件として取り上げるべきではないかということで、橋本大臣にそれではお願いをしようということにいたしました。

 今でも規制改革推進会議の委員の間からはこの件について議論をしたいという声がございます。そこで、決めるわけではございませんが、規制改革推進会議として委員の皆さんの間で議論をしていただくのは、私はあり得るんではないかということを申し上げているところでございます。

 

<森まさこ>

 是非お願いします。

 今、男女共同参画大臣の下にというお話があった。丸川大臣です。それから、戸籍になると法務大臣です。各省にまたがる問題なんです。

 そこで、私から提案です。

 官邸の男女共同参画会議、これ議長は官房長官です。総理、官房長官の下に、この夫婦の氏の問題について議論をする、また、国民の議論を深めるためのアンケートを取ったり、調査をしたり、当事者の考えを聞いたりするようなタスクフォースを立ち上げるのはいかがでしょうか。

 

<菅総理>

 そういう意見があったことを聞いておきます。

 

<森まさこ>

 総理、民間では若者がインターネットで一生懸命アンケートも取ったりしている動きがありますので、これからの社会を生きていく若者の目線で、総理、もう一度答弁をお願いできますか。

 

<菅総理>

 今申し上げたとおりです。

 

<森まさこ>

 意見を受け止めていただいたというふうに理解をしておきます。