皆さんこんにちは、参議院議員の森まさこです。

 

今回は前々回の記事で紹介した福島イノベーションコースト視察へ同行したインターンの学生達の感想を二回にわたって紹介します。

 

── 人生初の福島。そこは、悲しみの傷跡が残りつつも、希望を感じる地でした。

最も印象に残っているのは、震災で家族を失われた方から直接聞いたお話です。直前まで元気に話していた家族を失う後悔、東日本大震災から何の教訓も得ていない人たちへの怒り、亡くなった家族への深い愛情。言葉の端々からそんな思いを感じました。「天命を全うするが、亡くなった家族に早く会えるのも楽しみ」という言葉は忘れられません。深い傷を背負いながら日々を懸命に生きる姿に胸を打たれました。

しかし、忘れない過去をバネに福島はたしかな一歩を、いや二歩三歩を踏み出していました。原発廃炉だけでなく、水素やドローンの活用など未来のスタンダードを作る取り組みがなされていました。福島のイメージは「震災を受けた地」、から「先進的な地」に変わる。そう確信しました。

人生初の福島。大変密度の濃い時間を過ごすことができました。

(間宮秀人、早稲田大学22歳)

 

 

── 私は、震災当時関西に住んでおり、先の震災についてそれほど真剣に考える機会を経ることなくこれまで過ごして参りました。

しかし、今回初めて福島を訪れ、今なお残る震災の爪痕を目の当たりにし、現地の方々の体験談を伺ったことで、これまでいかに自分がこの震災について何も知らなかったのかということを強く実感致しました。私は今回の経験を経て、改めて様々な社会問題について当事者意識を持つことの難しさと、それでも当事者意識を持たんと努力することの重要性を、多少なりとも学ぶことができたのではないかと思います。

また、今回の視察では、随所で未だ続く風評被害や原発処理水問題など、原発事故に関連する様々な問題の実情についても伺いました。ここから私は、科学的に合理的な選択と政治的に可能な選択との間には緊張関係が存在し、それを解消する努力なしには真に正しい選択はなし得ないのだということ、さらにはこのような点にこそ、原発問題のように高度な科学的知見が必要な問題にも、私のような社会科学を学んだ人間が貢献できる点があるのではないかと考えるに至りました。

今回の視察での学びを胸に、社会に良き貢献をなせる人間になれるよう、これからも努力を重ねて参る所存です。

(森海渡、オックスフォード大学23歳)

 

 

── 今回の視察での最大の学びは「サイエンスコミュニケーション」の重要性でした。大学のゼミで福島の風評被害を切り口に「安全」と「安心」の違いについて分析したことがあったのですが、その際にも痛感した「科学を正確に伝えることの重要性」について、考えさせられる場面が多くありました。福島第一原発のトリチウムを含む処理水の問題はもちろん、イノベーションコーストにおける「科学技術の進展」がなぜ,どのように福島の未来に貢献するのかも地元の方々にはもしかしたら伝わっていないのではないかと感じる場面がありました。科学技術が漠然としたイメージで語られることが多いからこそ、その科学技術が人々の印象によって良いようにも悪いようにも左右されてしまう。大学で科学技術を学ぶ者のはしくれとして、どのようにわかりやすく正確なコミュニケーションができるか今後も考えてまいります。

(匿名、ハーバード大学 男性)

 

 

── 我々が知っている「原発事故」は大きな氷山の一角に過ぎない、ということを今回のイノベーションコースト構想の視察を通して学んだ。事故が起きて初めて露見した弊害、そしてこれからの安心な福島を作っていく上での課題など、取り組むべきことが多過ぎる。そのような問題が山積する中、福島の皆さんはもちろん私たち日本人全員が担うべき一刻も早い完全復興を目指す活動の一端を垣間見流ことができたことは、自分自身の大きな糧となった。

特に、記憶に鮮明に残っているのは双葉町をバスで通過した際の外の光景だ。たわいも無い会話で溢れていた車内が一瞬でシーンと静まりかえった。側から見たらただの森という畑の跡地、そして取り残された外壁の中は木だけが鬱蒼と生えた人気のない家屋。そこだけまるで時間が止まったままのようだった。メディアで伝えられる映像と自分の眼で目の当たりにする現実、そこには同じ光景であっても絶対に同一にすることができない何かを感じた。

それは、バーチャルとリアル、安心と安全、そして想像と創造、これからの情報社会を生き抜く上での対比する大事なキーワードだったのかもしれない。

(藤川宙、慶應義塾高校19歳)

 

 

全員が、「食べ物も美味しくて人も優しかった。また福島へ来たい。」と言っており、来年1月および3月にも再度、森まさこ事務局主催 被災地視察を企画しております。

福島県の県民の方でも、イノベーションコースと構想の視察や原発視察をご希望の方がいらしたら、コロナの時期で人数制限はございますが、森まさこ事務所までお問合せください。

 

次回も感想記録が続きますのでご期待くださいませ。