特定のがんを攻撃するように遺伝子操作した免疫細胞を使って、がんをほぼ消滅させることに、米国立がん研究所のグループが成功した。米科学誌サイエンス電子版 に発表した。

治療の対象になったのは、皮膚がんの一種、悪性黒色腫(しゅ)の患者。研究グループは、このがんの患者17人の体内から免疫細胞の一部を採取し、悪性黒色腫を認識する特定の遺伝子を組み込んで、がん細胞を攻撃するよう性質を変えた上で体内に戻した。

その結果、15人で、遺伝子操作した免疫細胞が体内に長く残る傾向がみられ、特に多く残っていた2人の患者では、がんがほぼ消失した。

従来は、患者の体内から、特定のがん細胞を攻撃する免疫細胞を見つけて体外で増やし、体内に戻す治療法が研究されてきた。だが、患者やがんの種類によっては、そのような免疫細胞が見つからない。研究グループは、今回の方法なら「悪性黒色腫以外のがんでも治療は可能」としている。

がんの最先端医療を研究するベンチャー企業「テラ」(東京・港区)の矢崎雄一郎社長は「一種の免疫療法だが、遺伝子操作も加えた点が新しい。まだ治験成績は高くないが、魅力的な技術だ」と話している。

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