さて、今回も前回に引き続きうつ病についてです。

今回も後半に脳トレ、思考ストレッチのワークを一つ紹介していきます。

意識レベル向上をこのブログのテーマに挙げています。

このブログを読んで頂いた方にとって少しでも有益になるように練っています。

また過去記事も読んで頂いたら、と思います。

もしも自分自身に変化を起こしたいと考えているなら、その気持ちを持ちながら読み進めていって頂けたらと思います。



さて、あなたを含めてあなたの周りにうつで悩んでいる方はおられますか?

うつ


うつ、というのは状態を表します。
うつ病は、病気です。

人間誰しも何かのきっかけにうつ状態になることがあります。

しかしそのうつ状態は、その人本来の力によって徐々に解消されて浮き上がり、また日常に戻っていきます。

その状態が概ね3ヶ月以上続き日常生活に支障をきたしているものが、うつ病です。

うつ病になると、何もできなくなる。

という方もいますし、

外出や家事が億劫で、なんとか気を振り絞ってやっている。

という方もおられますが、どちらもうつ病と診断されます。

家ではダメダメだが、趣味の外出はできる、という方もいます。

うつ病と言っても、程度や状態には色々あります。


・夜寝つけなくて遅くなり、いつも出社がギリギリになる。時々遅刻してしまう。もしくは休んでしまう。


・家でも職場でも、会話が極端に減り、会話しようと思ったら集中しないとできない。気を振り絞らないといけない。そして、内容を思い出せないことが多い。


・文章が頭に入ってこない。本やネットの記事を読んでも頭に残らない。

・休んでも休まらない。いつも落ち着かない。


以上の4つ、どれかに当てはまっているなら即受診することをお勧めします。
家族や友人、同僚がそうなら、受診させてあげてください。受診できる状況を作ってあげてください。


他にも、もし自分が変だな、家族が変だな、と思ったら気軽に受診することをお勧めします。

必ずしも薬を出されることはありませんし、

頓服で薬をもらって飲まず、お守り代わりにすることもできます。

眠剤だけでスッキリする方もいます。

精神科通院にかかる費用ですが、自立支援医療を用いれば申請が通った時から概ね一割負担です。

通院も薬局で支払う費用も自己負担は一割と考えていいです。

診察だけでは数百円。

薬は種類と数にもよりますが、月に数百円の方もいれば、月に2000円程度の方もおられます。

自己負担が2000円程度する方は、内科の薬も合わせて処方されている方が多いです。

必要な方は自立支援医療受給者証です。覚えておいてください。

詳しくは、病院や薬局でも詳しく教えてくれます。




次にどうしてうつ病を発症するのか?

ということについて話したいと思います。

どうしてうつ病を発症するのか?

ネットで調べて出てくるのは、
1、モノアミン仮説(ドーパミンやセロトニン、ノルアドレナリン)という脳内ホルモンの分泌異常。

2、その人の持つ資質とストレスを与える環境について。

ではないでしょうか。


1、モノアミン仮説については、うつ病患者の脳内で起こっている器質的な変化であり、結果です。
薬の副作用、リスクを考える上で重要です。
パーキンソン病の薬の調整中や、抗癌剤などいくつかの薬の副作用でうつ傾向の作用が出てしまうことがわかってます。
あらかじめ、説明を理解していると本来の病気の治療に有効です。
専門書やネット上にも詳しく書いてあります。


2、多くの文献でも出てきますが、やはり重要なのはその人の資質です。
言い直すと、その人の背景です。そこから、不適応な思考パターンと思い込みができあがります。


こんな話しを聞いたことがありました。

静岡県のとある精神科の医師が、「これまでの人生や家族歴なんて考えても、堂々巡りで治療の妨げになるんじゃないか?患者にとっては、生活している今が大事で、これからどう生活を送っていくかの方が重要だ」と、その人の歴史を一旦横に置いて診療にあたりました。

一年後、「やっぱり歴史は重要だ」ということで、改めて診療にあたったそうです。

背景はやはり重要だった、という話しです。


うつ病になる方の多くは、
世の中を、あるいは自分自身に対して、
無力感や罪悪感を感じていたり、
ぶつけどころのない怒りを持っていたりします。

その結果、
自分自身で判断ができずいつも人の顔色を伺う癖がついたり、
ミスを酷く恐れ指摘されないように完璧主義であろうとしたり、
上手くいき過ぎていた過去の自分と比較したり、他人と比較し過ぎたり、
人を頼れず問題を抱えこんでいたり、
こうするべきだ、ああするべきだ、と誰かから言われている自分をいつも想像して自分を苦しめ続けたり、
いつも先のことを考え過ぎて不安を持ち続けたり、
怒りの矛先がわからず、結局自分が我慢するしかないと思い込んでいたり


さらにそういったことが、脳内での自己対話で繰り返され続けた結果

「向こうで話してる人は自分の悪口を言っているに違いない」
「この話しは、遠回しに自分の悪口なんだ」
と被害妄想が出現したり

脳内で誰かと闘い続け、脳が疲弊し休む時間なのに休めなくて不眠になり、
活動意欲が削がれ、

さらにそんな脳の動き方を脳が学習してしまい、脳内ホルモンのアンバランスさを受け入れ
さらには、その状況で居続けるための活動戦略が周囲に認められた結果、ドーパミンによって脳が報酬を覚えてしまい、
ますますドン底の状況から抜け出せない。





私達は、うつ病患者をみて
「休みましょう」
といいます。

しかし、彼らの頭の中では闘争が続いた結果疲弊しており、
脳内で本来の自分自身と誰かの意見で葛藤しており、
身体は休めていても、脳は休めていないのです。


うつで退職したはずなのに、まだ脳内では職場のことが気になり、頭から離れません。

よくよく聴くと、その脳内の職場ではまだ批判され続けているのです。

「どうしてこれができないんだ!?」
「もっと考えろよ!!」
「なんだ、逃げるのか!!」
「自己管理がなってない!」

なんて脳内で職場を再生して、批判されている。

そりゃあ休めないですよね!

休めていないですよね?



実際に職場にその後の状況を聴くと、うつで退職した人の悪口なんて言う暇もないし、今の仕事でいっぱいいっぱいです。

それが実際なんだと確認しても、まだ職場が批判してきており頭から抜けません。


職場だけではなく、夫や妻、実の父親、義理の母、ほんとは距離を取りたいのに切り離せないと思い込んでいる対人関係の中では特に。

頻回に脳内会話にて最悪の状況をシミュレーションして、勝手にシミュレーションしたその問題を避けようと考えてしまうのです。


そりゃあ、脳内で何度も罪悪の状況ばかり再生したら、うつになりますよ!


こうなったら、こう対応して

こう言われたら、こう言い返して

こんな状況になったら、こう処理して

頭の中で何度も何度も闘っています。


人は1日に五万回の自己対話をしていると言われています。

それのほとんどが最悪の状況だったら、そりゃあうつ病になりますよ!!

もう考えるのやーめた!
もう働くのやーめた!
って心から身体にメッセージを送るんです。

頭、思考は頼りにならないから、心から直接身体にメッセージを送っちゃたんですね。


最悪を避けるシミュレーションをするのは、大事ですが
終わったらそれでおしまい!
としなければなりません。

そして、その最悪の状況も自分にとっては必要なことだ、
成長の糧なんだ、
と切り替えて保存することが重要です。

必要であった状況なら、自分を害することをやめます。



本当に休める脳内の状況になるまでに、多くの人はたっぷりと時間が必要だったりします。



多くの場合、後ろめたさなんて、
ただの錯覚です。

後ろめたさは錯覚です。


そもそも、何を得ることを恐れていたのか?
そもそも、生まれた怒りをどこにぶつけたかったのか?

ということに気付かなければなりません。

自分を許す、癒すのはそれからです。



では、脳トレの時間です。

1.その問題があることによって、私は何を得ることができないでしょうか?また、何をすることができないでしょうか?
どう「在る」ことができず、どう「感じる」ことができないでしょうか?





この質問の答えからは、ブロックされている願望がわかります。
「私は本当は〇〇を得たい」
「本当は〇〇をしたい」
潜在意識の性質上、このような簡単な質問でニーズが浮かび上がります。



もし、その願望がすぐに叶えられるものなら、叶えてしまうことをお勧めします。


2.もし、自分が望むような人間になったり、望みが叶ったりした場合、私は何を恐れますか?








この質問の答えからは、「思い込み」を知ることができます。
それがあるために、本当の自分の願望を口に出せず、頭に浮かんでも消去し続けてしまうのです。
「私は、軽率な人間だと思われることを恐れる」
「私は、母失格だと思われることを恐れる」




一度、このように自分の恐れを外に出してしまうと、それを許し、癒していくことができます。




うつ状態がまだ辛い人は、まずはゆっくり休みましょう。
薬に力を借りるのもいいし、十分横になるもいいし、散歩もいいです。
特に散歩はいいですね。

それから、ゆっくりとワークに取り組んでみてください。


続きのワークは、また来週。



うつ病は、本人が辛いのはもちろんですが、それを見ている周りの人も辛いのです。

なんとかしてやれないだろうか?と周りの人は思います。

そして、色々と助言をしますが、思うように良くならないことで、お互いに無力感を強化してしまいます。

時間が必要なのかもしれませんし、
案外簡単に戻れることもあるかもしれません。


少なくとも回復には、本人だけではなく、理解のある周囲の誰かが必要です。

この記事の読者が、その理解のある誰かになってあげれば、それだけでうつ病の当事者は救われた気になります。


どうか、あなたもそうであってください。
職種は関係ありません。


では、今回はこれで失礼します。




そろそろ梅雨が明けますかね?
羽化したセミが身体が乾く前に歩道を横断していました。
慌てずに隅っこで身体を乾かしたらすぐに飛べるのにね。
そもそもどこで羽化したんだろう?
セミにも、せっかちさんがいるんですねぇ。