仕事でのお悩み


世の中には、ときどき『よく不機嫌になる人』というのが存在します。


ただ単に体調不良だとか元気がないだけというケースもあり得ます。

しかし、そのレベルではなくてしょっちゅう不機嫌を撒き散らす方は、道具として「不機嫌」を使っている可能性があります。


「不機嫌」は人間が最初に身に付けるコミュニケーションツールです。

幼児が泣いたりむずかると、お母さんが一生懸命に世話を焼いてくれますよね。

人間は最初に「不機嫌になる」→「自分では何もしなくても周りがせっせと機嫌を取ってくれる」と学習してしまっているのです。

でも、それだけでは周りの人を不快にさせてしまうので、成長するにつれて「不機嫌」を使わなくてもいいように「話し合い」などのテクニックを身につけていくのです。


よく不機嫌になる人は、「不機嫌」を振りかざすと誰かがお世話してくれたり自分にとって心地良い環境を整えてくれると思ったまま大人になってしまったのですね。

振り回される周りの人はたまったものではありません。



そんなときの一番の対処法をお教えしましょう。

それこそが、「はにわになりきること」です。


人間の怒りというのは、怒りのホルモンであるアドレナリンが爆発的に出ることによって起こります。社会人が職場で恥ずかしげもなく不機嫌になるくらいですから、本人の脳の中では、アドレナリンの大洪水が起きているはずです。


さてここで質問です。

あなたは、洪水に巻き込まれたとき、どうするでしょうか。

必死に洪水を、手でせき止めようとするでしょうか。

「水よ止まれ!」

なんて言いながら、立ち向かったりしますでしょうか。

それはまさに自殺行為。


ただ単に、その洪水が過ぎ去るまで、隠れたり、柱などにしがみついたりして、待つしかありません。それこそがもっとも安全です。

立ち向かおうとすれば流され、ケガどころか、最悪死んでしまうこともあるでしょう。

真っ向から反撃するのはリスクを伴います。


実は、不機嫌で周りを振り回す人は、周りの目を気にしていないわけではありません。

完全な自信をもって不機嫌になれる人はいません。というか、そこまで強い自信を持っていたら、そもそもそう簡単には不機嫌になりません。実は内心、「不機嫌になることで、相手はどう反応するんだろう…」「効果はあるんだろうか…」という不安を抱えているのです。


そのため、「はにわの顔」で相手の表情が飲めないと、不機嫌が効いているのかどうかわからず不安になります。

たとえるなら、ラブレターをいくら出しても、まったく返信が来ないような状態です。

相手の反応が読めないため、より不安になっていくわけです。

少しでも相手の心が読めれば、たとえば、「あ、ビクビクしてるな、よし、もっと怒ってやろう」「あ、嫌がらせしてきた、この人ひどい!」などと考え、より火に油を注ぐことにもなりえます。


よって、目の焦点を合わせず、だからといって敵対的にはならないように、ぽかんとした表情にするわけです。

しかし、まったく無反応だとするなら、それはそれで相手にとっては怒りの対象にもなりえます。ですので、要件だけ手短に伝えたり、曖昧にあいづちを打ちながら、うなずくことが大切。

これによって、不機嫌な人は、「あ、聞いてもらえている…」と安心して、クールダウンしやすくなります。

一言で言えば、「反応が見えないポーズ」で、「曖昧にうなずくだけにする」こと。

これこそが火に油を注がない、一番の方法です。


実際に、不機嫌で振り回されると人は身を固くしてしまうもの。

心理学的にも、人と接するのに理想的な方法ではありません。

相手を本当に動かしたいなら、冷静な気持ちで、要望を分かりやすくまとめて伝えるのが一番。

それをしていない時点で、「相手のため」や「仕事のため」ではないことは明白なのです。


繰り返しますが、間違っても劣等感を抱いたり、気持ちを飲まれてしまうことはないのです。


 

 

 

 

 

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