拝啓 わたし 様
お元気ですか。私は身体的にお元気です。
昨日「死」について考えていました。
イコール、私は大変暇であります。
考えても出ない答えを探しているのであります。
きっと私は悩んでいる自分というものに酔っているだけなのでしょう。
おかしいですよね。こんなこと貴方にしか話せません。
ですが暇なので、私の考えを貴方に書いてみようと思います。
「死」とはどうなることなのでしょうか。
身体は滅び、私の残りはどうなるのでしょうか。
消えるのでしょうか。
産まれる前のように真っ白に。
いや、真っ暗なのでしょうか。そこらへんはよく、わかりませんが。
感情はどう消えるのでしょう?
感覚はどんな風に無くなっていくのでしょう?
「死」への到達は恐ろしいのでしょうか?
それとも快感を覚えるのでしょうか?
考えても考えても答えは出ません。
当たり前ですよね、死んだ人は戻ってこない。
そこに到達する為には私が私を殺さないと到達出来ない。
それならば、私は。
…こんなことを言えるのが貴方であってよかった。
貴方はきっと何も言わないでしょう。
貴方はきっと、意見も偏見も私に持たない。
ただそこにあるだけ。
たまに苛立ったりします。
貴方の意見が欲しい、そう思います。
でも、私は貴方が貴方であってよかったと思います。
貴方に私の意見を反発されたら、それこそ私は貴方を殺してしまうかもしれない。
貴方を疑って、貴方を嫌って
きっとそうなれば私は狂ってしまうと思います。
ありがとう、貴方が貴方であってくれて、ありがとう。
「死」への想いはきっと絶えることはないでしょう。
遅かれ早かれ、迎えるものですから
そんなに行き急ぐこともないかな、なんて思ってもみますが。
それでも私には、どうしてもその誘惑に飛びついてしまいたくなる日があるのです。
それが、今日という日だっただけであって。
貴方が貴方でいてくれてありがとう。
きっと貴方はそんなこと言われる相手もいないでしょうから
私は代わりに言いますね。
こんな汚い人間を
貴方だけが見捨てずにいてくれる。
私はそんな貴方の存在を、心から感謝します。
だから私は
私と貴方を殺すことにしました。
遅かれ早かれ無くなる命なら今燃やしてみたいのです。
貴方ならわかってくれますよね。
きっとわかってくれるって信じています。
それではここで私の手紙は終わります。
靴を並べて、私はその誘惑に飛びつきます。
もし私が生きていたら
それは私が生まれ変わったものとしてこの手紙を燃やして下さい。
それでは幾ばくの夜も幾万の朝も、お元気で