今朝、散歩がてらスーパーに買い出しに出かけたところ、道の端にすずめが膨らんで佇んでいたのを見つけた
道の端といっても、人通りがあるため、自転車に轢かれそうな位置
私は子供の頃や大人になってからも、インコや文鳥を雛から育てた経験があるので、膨らんで目を閉じているすずめを見て、相当具合が悪いだろうとすぐに理解した
これは、なんとかしなければ…!
しかし、私には買い出しというミッションがある。しかも手袋もない。すずめを素手で触るなんてリスクがあるではないか
すずめのことは買い出しに行ってからにしようかと一瞬迷った。が、今にも自転車に轢かれそうである。
ええい!背に腹はかえられぬ!
私は長袖を引っ張って手元に手繰り寄せて、布ですずめをそっと捕まえた。
しかし、私の掴み方が甘く、すずめが逃げてしまった。ちょうど道の花壇の隙間に入ったので、自転車に轢かれるリスクはなくなった。私はその場を去った。
買い出しを終えて、買い過ぎた食材をえんやこらと運んでいると、先ほどのすずめが、また道に出ていた
私は買ったばかりの食パンを開け、柔らかい部分をちぎりすずめの口元に運んだ。
食べるそぶりを見せたが、大き過ぎたようだ。小さくちぎってみるが、食べない。
このままにしていたら自転車に轢かれかねない。スーパーから余分にもらったビニール袋を手袋代わりにして、今度はしっかりとすずめを捕獲。
手の中のすずめは、とても軽い。
これは…もうじき命が絶える、と確信した。
小鳥を飼ってきた私には経験上、わかる。
なんとかしたいが、自宅に連れ帰ることは出来ないので、道路から少し離れた大きな花壇へ連れて行き、落ちていた発泡スチロールの小さな箱に、くしゃくしゃにしたビニール袋を敷き、そこにすずめを置いた。大人しかった。抵抗する力もない様子だ。
買ったばかりの蜜柑を、皮と薄皮も剥いて、果肉部分をすずめの口元に持っていったが、食べない。
本当は砂糖水がいいのだろうけど、手元にはない。
蜜柑の果肉をすずめの口元近くに置いて、私は、なすすべなく家に帰った。
それから4時間後、私はすずめが気になっていたので、保護しにもう一度、あの場所へ向かった。
すずめが生きていたら元気になるまで保護する。もし亡くなっていたら自然に帰す。
そう思っていた。
しかし、すずめはいなかった。
私が置いた状態のまま、少しも乱れがなく、すずめだけがいなかった。
ということは、誰かに保護されたのかもしれない。荒らされていないということは、そういうことだろうと考えた。
あの状態で回復したとは考えられないし、蜜柑も減っていなかったので、食べていない。
うん、きっと保護されたんだ。
すずめ、可愛かったなぁ。
親切な人に保護されて回復していくといいな。