『桃』 詩 金子みすゞ『桃』 詩 金子みすゞ 一、二ィ、三、 飛びついた。 ゆっさゆっさゆれる 桃の枝。 枝は下がって来は来たが 右も左も手があかぬ。 一 二ィ、三、 飛び下りた。 ぴんとかえった 桃の枝。 あの桃、あの桃、たァかいな、 あの桃、あの桃、大きいな。