『野茨の花』 詩 金子みすゞ | もりいさむのブログ

もりいさむのブログ

ブログの説明を入力します。

『野茨の花』 詩 金子みすゞ


白い花びら

刺のなか、

「おうお、痛かろう。」

そよ風が、

駈けてたすけに

行ったらば、

ほろり、ほろりと

散りました。


白い花びら

土の上、

「おうお、寒かろ。」

お日さまが、

そっと、照らして

ぬかめたら、

茶いろになって

枯れました。