『草山』 詩 金子みすゞ『草山』 詩 金子みすゞ 草山の草の中からきいてると いろんなたのしい声がする。 「きょうで七日も雨ふらぬ のどがかわいた水欲しい。」 それはお山の黒い土。 ... お手々ひろげて掴もうか。」 それはちいさな蕨の子。 「お日さん呼ぶからのぞこうか。」 「私もわたしも、ついてゆく。」 ぐみの芽、芝の芽、茅の葉 いろんなはしゃいだ声がする。 春の草山にぎやかだ。 「空にきれいな雲がある