『障子』 詩 金子みすゞ『障子』 詩 金子みすゞ お部屋の障子は、ビルディング。 しろいきれいな石づくり、 空まで届く十二階、 お部屋のかずは、四十八。 あとのお部屋はみんな空。 四十七間の部屋部屋へ、 誰がはいってくるのやら。 ひとつひらいたあの窓を、 どんな子供がのぞくやら。 ~窓はいつだか、すねたとき、 指でわたしがあけた窓。 ひとり日永にながめてりゃ、 そこからみえる青空が、 ちらりと影になりました。 一つの部屋に蝿がいて、