『雨あがり』 詩 金子みすゞ
一ばんさきにみつけたは、
ちいさなはこべの花でした。
「あれあれ、あすこにお日いさま。」
雲のかげからお日いさま、
ちょいと、目ばかりだしてます。
...
どの木も、どの木も、枝ならし、
どの葉も、どの葉も、うれしげに。
「おおお、お日さま、お久う、
ずいぶんみんなは待ちました。」
雲のかげからお日いさま、
いたずらそうに、笑ってる。

一ばんさきにみつけたは、
ちいさなはこべの花でした。
「あれあれ、あすこにお日いさま。」
雲のかげからお日いさま、
ちょいと、目ばかりだしてます。
...
どの木も、どの木も、枝ならし、
どの葉も、どの葉も、うれしげに。
「おおお、お日さま、お久う、
ずいぶんみんなは待ちました。」
雲のかげからお日いさま、
いたずらそうに、笑ってる。