『雪』 詩 金子みすゞ
誰も知らない野の果てで
青い小鳥が死にました
さむいさむいくれ方に
そのなきがらを埋めよとて
お空は雪を撒きました
ふかくふかく音もなく...
人は知らねど人里の
家もおともにたちました
しろいしろい被衣着て
やがてほのぼのあくる朝
空はみごとに晴れました
あおくあおくうつくしく
小さなきれいなたましいの
神さまのお国へゆくみちを
ひろくひろくあけようと

誰も知らない野の果てで
青い小鳥が死にました
さむいさむいくれ方に
そのなきがらを埋めよとて
お空は雪を撒きました
ふかくふかく音もなく...
人は知らねど人里の
家もおともにたちました
しろいしろい被衣着て
やがてほのぼのあくる朝
空はみごとに晴れました
あおくあおくうつくしく
小さなきれいなたましいの
神さまのお国へゆくみちを
ひろくひろくあけようと