『初あられ』 詩 金子みすゞ
あられ
あられ
手に受けて、
春の夜の...
お雛まつりを
ふとおもう。
おなじみの隣の雛は
こんな晩、
暗いお倉の片隅の
ひとりびとりの箱のなか。
ぱら、ぱら、と
きれぎれに
樋うつ音を聴いてるよ。
あられ
あられ
初あられ。
あられ
あられ
手に受けて、
春の夜の...
お雛まつりを
ふとおもう。
おなじみの隣の雛は
こんな晩、
暗いお倉の片隅の
ひとりびとりの箱のなか。
ぱら、ぱら、と
きれぎれに
樋うつ音を聴いてるよ。
あられ
あられ
初あられ。