『夜ふけの空』 詩 金子みすゞ
人と、草木のねむるとき、
空はほんとにいそがしい。
星のひかりはひとつずつ、
きれいな夢を背に負い、
みんなのお床へとどけよと、
ちらちらお空をとび交うし...
露姫さまは明けのぬまに、
町の露台のお花にも、
お山のおくの下葉にも、
残らず露をくばろうと、
銀のお馬車をいそがせる。
花と、子供のねむるとき、
空はほんとにいそがしい。
人と、草木のねむるとき、
空はほんとにいそがしい。

星のひかりはひとつずつ、
きれいな夢を背に負い、
みんなのお床へとどけよと、
ちらちらお空をとび交うし...
露姫さまは明けのぬまに、
町の露台のお花にも、
お山のおくの下葉にも、
残らず露をくばろうと、
銀のお馬車をいそがせる。
花と、子供のねむるとき、
空はほんとにいそがしい。