『踏切』 詩 金子みすゞ
踏切の小屋は大きな空の下。
小屋のおもてで爺さんは、
きょうの新聞よんでいる。
ながい、ながい、影ぼうし、
裾の嫁菜の花が咲き、...
胸のあたりで虫がなく。
踏切の柵はしィろい空のなか。
草の葉かげでこおろぎは、
昼の月見てないている。
踏切の小屋は大きな空の下。
小屋のおもてで爺さんは、
きょうの新聞よんでいる。

ながい、ながい、影ぼうし、
裾の嫁菜の花が咲き、...
胸のあたりで虫がなく。
踏切の柵はしィろい空のなか。
草の葉かげでこおろぎは、
昼の月見てないている。