『鶴』 詩 金子みすゞ
お宮の池の
丹頂の鶴よ。
おまえが見れば、
世界中のものは、
何もかも、網の目が
ついていよう。...
あんなに晴れたお空にも、
ちいさな私のお顔にも。
お宮の池の
丹頂の鶴が、
網のなかで静かに
羽をうつとき。
一山むこうを
お汽車が行った。
お宮の池の
丹頂の鶴よ。
おまえが見れば、
世界中のものは、
何もかも、網の目が
ついていよう。...
あんなに晴れたお空にも、
ちいさな私のお顔にも。
お宮の池の
丹頂の鶴が、
網のなかで静かに
羽をうつとき。
一山むこうを
お汽車が行った。