『月と泥棒』 詩 金子みすゞ | もりいさむのブログ

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『月と泥棒』 詩 金子みすゞ

十三人の泥棒が、
北の山から降りて来た。
町を荒らしてやろうとて、
黒い行列つゥくった。

たった一人のお月さま、
東の山からあァがった。...

町を飾ってやろうとて、
銀のヴェールを投げかけた。
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黒い行列ァ銀になる、
銀の行列ァぞろぞろと、
銀のまちなかゆきぬける。

十三人の泥棒は、
お山のみちも忘れたし、
泥棒のみちも忘れたし、

南のはてで、気がつけば、
山はしらじら、どこやらで、
コケッコの、バカッコと鶏がなく。