『生きたかんざし』 詩 金子みすゞ
子守ころころ漁師の子
もしやもしやの髪の毛、こりゃいいな、
雀、巣かけようととまったら、
赤いダリヤが燃えていて、
あつつ、あつつと
飛んで逃げた。
日ぐれにゃしおれたかんざしは、
髪から抜かれてすてられて、
濱からかえった母さんに、
髪結てもらう漁師の子。
雀は軒に
巣をかけた。
子守ころころ漁師の子
もしやもしやの髪の毛、こりゃいいな、
雀、巣かけようととまったら、
赤いダリヤが燃えていて、
あつつ、あつつと
飛んで逃げた。
日ぐれにゃしおれたかんざしは、
髪から抜かれてすてられて、
濱からかえった母さんに、
髪結てもらう漁師の子。
雀は軒に
巣をかけた。