『蛙』 詩 金子みすゞ
憎まれっ子、
憎まれっ子、
いつでも、かつでも、誰からも。
雨が降らなきゃ、草たちが、
「なんだ、蛙め、なまけて。」と、
それをおいらが知る事か。
...
雨が降り出しゃ子供らが、
「あいつ、鳴くから降るんだ。」と、
みんなで石をぶってける。
それがかなしさ、口おしさ、
今度は降れ、降れ、降れ、となく。
なけばからりと晴れあがり、
馬鹿にしたよな、虹が出る。
憎まれっ子、
憎まれっ子、
いつでも、かつでも、誰からも。
雨が降らなきゃ、草たちが、

「なんだ、蛙め、なまけて。」と、
それをおいらが知る事か。
...
雨が降り出しゃ子供らが、
「あいつ、鳴くから降るんだ。」と、
みんなで石をぶってける。
それがかなしさ、口おしさ、
今度は降れ、降れ、降れ、となく。
なけばからりと晴れあがり、
馬鹿にしたよな、虹が出る。