『山の子濱の子』詩 金子みすゞ | もりいさむのブログ

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『山の子濱の子』詩 金子みすゞ

町を見て来た山の子よ、
町には何がありました。もりいさむのブログ

日ぐれの辻の人ごみに、
踏まれもせずにぽっちりと、
森の一軒屋の灯のように、
茱萸がこぼれて居りました。

町を見に来た濱の子よ、
町には何がありました。

電車どおりの水たまり、
底のきれいな青空に、
さみしい昼の星のよに、
鱗がうかんで居りました。