『すかんぽ』 詩 金子みすゞ『すかんぽ』 詩 金子みすゞ すかんぽ、すかんぽ みいつけた。 豆の畑の畦道に。 遠いお里よ、あのころよ、 とうの忘れた、その味よ。 ここは巨きな都市の裏、 一山越えた、段畑、 ぼうと鳴るのは汽船の笛、 ごうとひびくは、なんの音。 すかんぽ、すかんぽ ... 噛みしめて、 空のはるかを見た時に、 なんの鳥やら,わたり鳥、 群れて、ちいさくいきました。