『木屑ひろい』 詩 金子みすゞ『木屑ひろい』 詩 金子みすゞ 朝鮮人の子、何つむの、 れんげが咲いたの、よもぎなの。 いやいや、草は枯れてます。 朝鮮人の子、何うたう、 朝鮮人のお唄なの。 いやいや、日本の童謡です。 ... 朝鮮人の子、楽しげに、 こぼれ木屑をひろいます。 製材裏の廣っぱで。 木屑ひろうて、束にして、 頭にのせてかえります。 小さな小舎で、母さんと、 とろとろ赤い火を燃して、 父さんの帰りを待つために。