『花のたましい』 詩 金子みすゞ
散ったお花のたましいは、
み佛さまの花ぞのに、
ひとつ残らずうまれるの。
だって、お花はやさしくて、
おてんこさまが呼ぶときに、
ぱっとひらいて、ほほえんで、
... 蝶々にあまい蜜をやり、
人にゃ匂いをみなくれて、
風がおいでとよぶときに、
やはろすなおについてゆき、
なきがらさえも、ままごとの、
御飯になってくれるから。
散ったお花のたましいは、
み佛さまの花ぞのに、
ひとつ残らずうまれるの。
だって、お花はやさしくて、
おてんこさまが呼ぶときに、
ぱっとひらいて、ほほえんで、
... 蝶々にあまい蜜をやり、
人にゃ匂いをみなくれて、
風がおいでとよぶときに、
やはろすなおについてゆき、
なきがらさえも、ままごとの、
御飯になってくれるから。