『学校へゆくみち』 詩 金子みすゞ
学校へゆくみち、ながいから、
いつもお話、かんがえる。
みちで誰かに逢わなけりゃ、
学校へつくまでかんがえる。
だけど誰かと出逢ったら、
... 朝の挨拶せにゃならぬ。
すると私はおもい出す、
お天気のこと、霜のこと、
田圃がさびしくなったこと。
だから、私はゆくみちで、
ほかの誰にも逢わないで、
そのおはなしのすまぬうち、
御門をくぐる方がいい。
学校へゆくみち、ながいから、
いつもお話、かんがえる。
みちで誰かに逢わなけりゃ、

学校へつくまでかんがえる。
だけど誰かと出逢ったら、
... 朝の挨拶せにゃならぬ。
すると私はおもい出す、
お天気のこと、霜のこと、
田圃がさびしくなったこと。
だから、私はゆくみちで、
ほかの誰にも逢わないで、
そのおはなしのすまぬうち、
御門をくぐる方がいい。