『荷馬車』 詩 金子みすゞ
お馬は
じぶんの影んぼの、
おかしなお耳が踏みたくて、
下見ていそいで歩きます。
馬車屋は
空っぽの馬車の上、
... おおきなお煙管横っちょで、
のどかにお空をみています。
空には
雲がかがやいて、
昨夜の火事はうそのよう。
町には春がじき来ます。
お馬は
じぶんの影んぼの、
おかしなお耳が踏みたくて、
下見ていそいで歩きます。

馬車屋は
空っぽの馬車の上、
... おおきなお煙管横っちょで、
のどかにお空をみています。
空には
雲がかがやいて、
昨夜の火事はうそのよう。
町には春がじき来ます。