『蓄音機』 詩 金子みすゞ
大人はきっとおもっているよ、
子供はものをかんがえないと。
だから私が私の舟で、
やっとみつけたちいさな島の、
お城の門をくぐったとこで、
大人はいきなり蓄音機をかける。
...
私はそれを、きかないように、
話のあとをつづけるけれど、
唄はこっそりはいって来ては、
島もお城もぬすんでしまう。
大人はきっとおもっているよ、
子供はものをかんがえないと。
だから私が私の舟で、
やっとみつけたちいさな島の、
お城の門をくぐったとこで、
大人はいきなり蓄音機をかける。
...
私はそれを、きかないように、
話のあとをつづけるけれど、
唄はこっそりはいって来ては、
島もお城もぬすんでしまう。
