『朝と夜』 詩 金子みすゞ (曲.もりいさむ)
朝はどこからやってくる。
東の山からちょいとのぞき、
みるまに空を駈けぬけて、
しずかに町へと降りてくる。
木かげ、床下、そんなとこ、
... 朝日が出るまでのぞきゃせぬ。
夜はどこからやってくる。
床下から、木かげから、
むくりむくりと起きて来て、
ぬっと大きく軒に立つ。
夕日は沈んでしまっても、
雲の端へはとどきゃせぬ。
朝はどこからやってくる。
東の山からちょいとのぞき、
みるまに空を駈けぬけて、
しずかに町へと降りてくる。
木かげ、床下、そんなとこ、
... 朝日が出るまでのぞきゃせぬ。
夜はどこからやってくる。
床下から、木かげから、
むくりむくりと起きて来て、
ぬっと大きく軒に立つ。
夕日は沈んでしまっても、
雲の端へはとどきゃせぬ。