『お勘定』 詩 金子みすゞ
空には雲がいま二つ、
路には人がいま五人。
ここから学校へゆくまでは、
五百六十七足あって、
電信柱は九本ある。
私の箱のなんきん玉は、
... 二百三十あったけど、
七つころげてなくなった。
夜のお空のあの星は、
千と三百五十まで、
かぞえたばかし、まだ知らぬ。
私は勘定が大好き、
なんでも、勘定するよ。
空には雲がいま二つ、
路には人がいま五人。
ここから学校へゆくまでは、
五百六十七足あって、
電信柱は九本ある。
私の箱のなんきん玉は、

... 二百三十あったけど、
七つころげてなくなった。
夜のお空のあの星は、
千と三百五十まで、
かぞえたばかし、まだ知らぬ。
私は勘定が大好き、
なんでも、勘定するよ。