『月と雲』 詩 金子みすゞ
空の野原の
まん中で
ぱったり出あった
月と雲。
雲はいそぎで
よけられぬ、
... 月もいそぎで
とまられぬ。
ちょいとごめんと
雲のうえ、
すましてすたこら
お月さん。
あたまを踏まれた
雲たちも
平気のへいざで
えっさっさ。
空の野原の
まん中で
ぱったり出あった
月と雲。
雲はいそぎで

よけられぬ、
... 月もいそぎで
とまられぬ。
ちょいとごめんと
雲のうえ、
すましてすたこら
お月さん。
あたまを踏まれた
雲たちも
平気のへいざで
えっさっさ。